校閲記者

久野 映Hayu Hisano

東京本社 校閲センター

2019年入社

2019年入社 東京本社 校閲センターに配属

書き手が伝えたいことが、読み手にきちんと届くように。その橋渡し役を担う。

 小さい頃から身近にあった新聞。そこに書かれていることは当たり前に正しく、それを伝える言葉も当然に正しく整ったものだと疑いませんでした。しかしそれは当たり前のことではなく、一文一文、一文字一文字、見えないところで悩みながら地道に確認している人たちがいるのだと知った時の目の覚めるような思いが、この仕事を志すきっかけになりました。実際には新聞校閲は時間との闘いで日々反省と後悔ばかりですが、「助かりました」と声をかけてもらった時や、工夫したことでぐっと読みやすくなった記事が載った新聞を読み返す時は充実感があります。

 尊敬する大先輩の言葉を借りると、校閲は「人から人に、文字を使って伝えること、これがうまくいくようにするため」に役割が発生します。どんなに有意義な内容の記事でも、誤字・脱字や固有名詞の誤りがあれば信頼してもらえません。どんなに面白い話でも、文章が分かりにくければ読者を引き込むことはできません。不用意に使った言葉が人を傷つけることもあります。書き手が伝えたいことが、読み手にきちんと届くように。その橋渡し役を担えることが、一番のやりがいだと思っています。

 冒頭で「見えないところで」と書きましたが、毎日新聞 校閲センターはウェブサイトやネット交流サービス(SNS)などで、言葉にまつわる情報を発信することにも力を入れています。校正・校閲に興味がある人はもちろん、言葉を扱う全ての人にとって面白く、役に立つ内容になるよう奮闘しています。ぜひご覧ください。

One Day

午後

出社

この日は朝刊の政治面(一面)を担当
この日のメニュー(新聞のどの面に何の記事が載るか)を確認
一面コラム「余録」をチェック。修正箇所や疑問点を筆者とやりとりする

16:30

各記事や写真が出稿され始める。それぞれA4判の紙でチェック
誤字・脱字がないか、毎日新聞の表記ルールに即しているか、固有名詞や事実関係に誤りがないか、読みやすい文章になっているかなどを確認
自席で食事。集中力が高まる気がしてコーヒーは欠かせない

19:30

実際の紙面と同じ大きさで印刷された「刷り」が配られ始める。
見出しが適切か、スペースの関係で削られた部分があれば、正しくつながっているかなども読んで確認する
目次部分をチェック。
面数は正しいか、実際にその記事の内容に沿ったタイトルになっているかなども確認
最初の版が降版。
その後も新しい情報が追加されたり、原稿がブラッシュアップされたりすることがあるのでその都度確認する

深夜

退社

My Favorite

「赤本」と呼ばれる毎日新聞の用語集。校正時に欠かさず確認し、使い込んでいます。

Interview

毎日新聞社の好きなところは?

自由でのびのびとした雰囲気があり、人があたたかいところです。

入社してから自分に起きた、良い変化は何ですか?

自分が思っていた全ての「当たり前」や「常識」を、良い意味で疑うようになりました。

仕事をする上で大事にしていることは?

集中力が何より大切なので、なるべくよいコンディションで仕事に臨めるよう心がけています。

休日の楽しみは何ですか?

おいしいもの巡り。いつも次の休みは何を食べに行こうかと考えています。

学生時代に打ち込んだことは?

スポーツ新聞サークルの活動です。多くの人の努力が新聞というひとつの形になって世の中に出ていくことの面白さを知りました。

Message

就活生という立場だからこそ知ることのできる新しい世界や人との出会いがあると思います。楽しんで頑張ってください!