住みなれたまちで私らしく〜心地よい暮らしのヒント

認知症の発症リスクを下げ元気に暮らしたい。
一般介護予防事業 まず把握

中村孝幸さん(社会福祉士、「認知症110番」電話相談員)
中村孝幸さん(社会福祉士、「認知症110番」電話相談員)

●事例の概要

 女性のEさん(80)は、2年前に夫と死別し独り暮らしとなりました。夫と生活をしていた頃は週数回ウオーキングなどで体を動かしていましたが、今はしておらず運動をする機会もめっきり減りました。病気知らずで過ごしていましたが、先日受けた定期健診で脂質異常症との診断を受けました。医師からは食事内容や運動の見直しをするよう助言を受けました。

●心配事

 脂質異常症という診断を受けた後、インターネットで脂質異常症という病気を調べてみました。脂質異常症は、改善しないと動脈硬化や脳梗塞(こうそく)・心筋梗塞のリスクを高めるといった生活習慣病であることを知りました。認知症のリスクを下げるには、生活習慣病を予防することが大切と知っていましたが、具体的にどのように食事内容を見直すべきか、また定期的に運動をする機会をどう設けるのか悩んでいます。

●利用できる市町村の取り組み(代表的なもの)

 お住まいの自治体ごとに、地域の実情に応じた「一般介護予防事業」(65歳以上の方を対象に、要介護状態になることをできる限り防いで自立した生活を維持したり、要介護状態になっても悪化を防いだりするさまざまな事業)が実施されています。

●私らしく暮らすため

 Eさんは一人で考えていてもなかなかいい方法が浮かばず、最寄りの地域包括支援センターに足を向けました。一般介護予防事業を利用しようと思い、事業の内容や申し込み方法を確認するためです。

 Eさんの住む市には、▽「まるごと介護予防講座」(自宅でも取り組める運動・口腔(こうくう)・栄養の知識を学ぶ)▽「いきいき運動講座」(地域にある公園で、健康遊具を使って全身の運動や足腰のバランスを保ったり、公園内をウオーキングしたりする)▽「認知症予防講座(本の朗読や手先を使用した軽体操)▽「プールで水中ウオーク講座」——など、さまざまなプログラムがあることを知りました。その中からまずは気軽に取り組めそうないきいき運動講座に挑戦することにしました。目指すは、脂質異常症の改善と認知症予防だと目標を決め、さっそく参加しました。

 認知症は生活習慣病予防が重要です。まずは自身の住む自治体でどのような一般介護予防事業のメニューがあるのか、把握してみるといいでしょう。