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「思い出ノートと年賀状による認知症予防」の講座開催

講師の話に熱心に耳を傾ける参加者

 自分史や脳の活性化につながる年賀状の書き方を学ぶ講座「思い出ノートと年賀状による認知症予防」(主催・毎日新聞社、後援・認知症予防財団、協賛・日本郵便株式会社)が11月26日、東京都新宿区であった。思い出ノートとともに、書くことを通して大切な人を思い出したり、旧交を温めたりすることができる年賀状を活用し、認知症予防に役立てることを目指している。

 過去を振り返りながら自分史を綴る「思い出ノート」は、認知症の非薬物療法の一つ、「回想法」をヒントに毎日新聞社が制作した。各地で使い方の講習会を開いている。一方、年賀状にも旧知の人を頭に浮かべながらしたためる点など、回想法に通じる要素がある。そこで同社は日本郵便の協力を得て、思い出ノートと年賀状をセットにした「書き方講座」も始めることにした。

 26日の初講座には、60〜70歳代を中心に約30人が参加した。毎日新聞社の担当者が自分史づくりの利点などを説明し、文章の書き方をアドバイスした後、年賀状づくりの講座に移った。

 「年賀状を書くことは自分史づくりに似ていませんか」。担当者はそう問いかけ、書く際のポイントとして、相手のことを思い出しながらキーワードを書き出すことを提案した。「釣り好き」とか「子煩悩」といったことだ。また自分の近況や直筆のコメントを入れるなど、もらって嬉しい便りになるよう工夫することも勧めた。参加者も実際にアドバイスに沿った年賀状づくりに取り組んだ。

 人と人をつなぐ年賀状は、社会との接点が少なくなりがちな高齢者に人との交流を生むきっかけにもなる。講座では、年賀状を書いた人に会う約束をすることも推奨している。参加者の一人で、夫婦で毎年350枚の年賀状を書くという女性(71)は「文章を書く機会が減り、日記をつけてみようと思って来ました。周りには年賀状をやめる人もいますが、これからも書き続けます」と話していた。

2018年11月