一般記者

田中 裕之Hiroyuki Tanaka

東京本社 デジタル編集本部 デジタル報道グループ

2007年入社

2007年入社 北海道報道部に配属 札幌と帯広で事件事故、スポーツ、行政などさまざまな取材を経験
2012年千葉支局に異動 主に県政や選挙を担当
2014年東京本社 政治部に異動 首相官邸と自民党を担当
2019年特別報道部に異動 取材班としてヤングケアラーのキャンペーン報道や調査報道に従事
2021年政治部に異動 再び自民党を担当
2022年デジタル報道グループに異動 「旧統一教会の政界工作など教祖発言録に関する一連の報道」で新聞労連ジャーナリズム大賞、メディア・アンビシャス大賞を受賞

社会で必要とされる記者の仕事 時代に適応したモデルを模索

 私の今の仕事は、過去に6年間在籍した政治部で目まぐるしく変わる政治ニュースを早朝から深夜まで追いかけていた頃とは大きく変わっています。

 新聞社やテレビ局などが報じる政府機関や捜査当局の動きの速報や、発表前に記事化する「前打ち」などは内容が横並びになりがちです。それ自体はとても大事なニュースですが、多くはインターネット上でヤフーなどのプラットフォームに配信され、無料で読むことができます。

 私が所属するデジタル報道グループは、毎日新聞のデジタル会員でなければ読めない有料記事を中心に扱う部署です。新聞社に期待されるジャーナリズムの役割を果たしながら、お金を払ってでも読みたくなる独自の情報や切り口をどうすれば記事に盛り込めるか、同僚と意見を交わしながら日々チャレンジしています。

 2022年7月の安倍晋三元首相の銃撃事件をきっかけに注目された世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題では、全文が韓国語で記された615巻・約20万ページに及ぶ教祖の発言録を発掘。これを翻訳・分析することで教団と保守政治家との歴史的な関係を浮き彫りにし、優れた新聞報道を表彰する新聞労連ジャーナリズム大賞などを受賞しました。一連の記事は、紙面よりも先にニュースサイトで公開する「ウェブファースト」で出し、多くの読者がデジタル会員になってくれました。

 メディアを取り巻く環境や記者の働き方が変化する中、読者の関心に応える調査報道やキャンペーン報道の重要性は高まっていると感じます。

 私自身、現在小学1年生の長男の子育てと仕事を両立させるため、22年4月に今の部署に移りました。ここぞという時に仕事に割く時間は惜しみませんが、平日は長男が帰宅する午後6時には原則仕事を切り上げています。

 これから先も記者の仕事が社会で必要とされるのは間違いありません。時代に適応した新しいモデルを模索しています。

One Day

6:30

起床

ニュースとメールをチェック。小1の長男の朝食を作り、登校に付き添う

9:00

旧知の国会議員と永田町の事務所で面会

12:00

昼食

国会議事堂内の牛丼チェーン店で昼食

13:00

出社する用事がなかったので自宅でリモートワーク。原稿執筆や取材先のアポ取り、資料の読み込みなど。上司とはTeamsと電話で連絡を取り合う

18:00

長男が帰宅。夕食作りや宿題の手伝い、入浴などをしながらメールやTeamsをチェック

21:30

長男を就寝させる。その後、原稿執筆や気になるニュースの確認などをすることもあるが、疲れて一緒に寝てしまうことも

My Favorite

北欧製の愛用のマグカップ。妻が購入したもので原稿執筆の合間などにコーヒーを入れて飲んでいます

Interview

毎日新聞社の好きなところは?

記者個人の突破力が評価されるところだと思います。社会的に弱い立場に置かれた人に寄り添う記者が多い気がします。

入社してから自分に起きた、良い変化は何ですか?

取材を通じて視野が広がり続けることです。社会問題に直面する当事者から大局観のある政治家まで、幅広い人たちと出会えました。

仕事をする上で大事にしていることは?

特定の分野に縛られない部署なので、まずは世の中で求められるテーマを見極めることを大事にしています。仕事の優先順位を付け、時間と労力を集中させるようにしています。

休日の楽しみは何ですか?

長男の習い事に同行して地域の子どもたちの成長を見ることや、料理系ユーチューバーのレシピで新しい料理に挑戦することです。

学生時代に打ち込んだことは?

本を読んだり、音楽を聴いたり、友人とお酒を飲んだり、普通の生活をしていました。

Message

記者を目指す若い人がいるのは大変うれしく、頼もしいです。ぜひ目標を達成してください。