主な事業/国際協力に関する事業(海外難民救援事業【旧「世界子ども救援事業」】)

2024年海外難民救援キャンペーン
       流民に光りを ウガンダから

172万人 裂かれた夢

ウガンダ中西部のキリヤンドンゴ難民居住区で暮らすスーダン難民のネイマットさんと幼い3人の子どもたち。避難先のテントを何者かに切り裂かれ、骨組みだけが残る跡地で先行きの不安を訴えた=ウガンダで2024年10月26日、滝川大貴撮影

ウガンダ中西部のキリヤンドンゴ難民居住区で暮らすスーダン難民のネイマットさんと幼い3人の子どもたち。避難先のテントを何者かに切り裂かれ、骨組みだけが残る跡地で先行きの不安を訴えた=ウガンダで2024年10月26日、滝川大貴撮影

 赤茶けた大地が見渡す限り広がり、居住用の小さなテントが点在する。アフリカ東部の内陸国・ウガンダには、紛争などで周辺の国々を追われた人たちが大量に流入している。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、10月末時点で172万人。アフリカ最大、世界有数の難民受け入れ国として知られる。

 2024年10月下旬、ウガンダ中西部のキリヤンドンゴ難民居住区で、スーダンから逃れてきたネイマットさん(31)が沈痛な表情を浮かべた。「あの出来事を思い出すだけでひどく胸が痛む」ウガンダの北にあるスーダンでは2023年4月、政府軍と、政府系の準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による内戦が勃発。一般国民を巻き込み、UNHCRによると、人口約4600万人中、約1100万人が家を追われた。紛争地のデータ収集を行う米NPO「ACLED」は2万7000人以上が犠牲になったとしている。しかし、ウクライナや中東での戦争に埋もれ、「忘れられた紛争」と呼ばれる。

 ネイマットさんは内戦の混乱下で夫(41)を殺害された。幼い子どもたちを連れウガンダに逃れたが、一息ついたのもつかの間、住まいのテントが何者かに切裂かれた。「スーダンで起きている真実を知ってほしい」。彼女は凄惨な体験を語り始めた。【キリヤンドンゴで郡悠介、写真・滝川大貴】

 

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