ぼうさい甲子園2013 表彰式・発表会(1)


大賞、糸魚川市立根知小

防災戦隊チャレンジャーに扮した宮川高広教頭
発表する糸魚川市立根知小の児童ら。右は防災戦隊チャレンジャーに扮した宮川高広教頭=神戸市中央区で12日、望月亮一撮影

教頭が「チャレンジャー」 意識向上へ「遊び心」

12日に神戸市で表彰式・発表会が行われた今年度のぼうさい甲子園(毎日新聞社など主催)。小学生部門のぼうさい大賞を受賞した新潟県糸魚川市立根知(ねち)小は、防災を身近なものとしてとらえるために、さまざまなアイデアを日々の授業などに取り入れてきた。抜き打ちの避難訓練で緊張感を高める一方、防災についての「ミッション(任務)」を与えて児童を競わせ、遊び心をくすぐるなど、あの手この手で意識の向上を図っている。

根知小は児童数わずか27人。根知地区は県南部の急傾斜にあり、豪雪や土砂災害の危険性が指摘される。切迫感がないと、いつ発生するかわからない災害に真剣に向き合えない」。根知小で防災教育を引っ張る宮川高広教頭(48)は狙いを語る。

2012年6月に行った抜き打ちの避難訓練。運動会の最中に、緊急地震速報が発令されたという想定で、見学に来ていた地域住民約100人も巻き込み、消火訓練を行った。また、遠足の行程には、泊まり込みの防災訓練を組み込んだ。電気と水がない中、夜をどう過ごせばいいか、非常食をどう分け合うか、児童らは相談しながら乗り切った。

その一方で、「非常口がどこにあるか」「消火栓の位置は」など防災に関する課題を1カ月に2回、児童たちに出題。児童らは1週間の期限内に親と相談するなどして解答を提出し、正解を重ねればカードゲームがもらえる試みも取り入れた。

宮川教頭は東日本大震災で、津波からの避難訓練に取り組んでいた学校で人的被害が少なかったことを知り、「防災教育に取り組めば、救える命がある」と実感したという。

この日の発表会では、6年の渡辺理依那さん(12)と5年の舩木和(いずみ)さん(11)が登壇。「こまったときは 声を出そう」「どこへいっても にげ道チェック」など、児童らで歌詞を考えた曲を軽快なメロディーに乗せて歌った。宮川教頭は、根知小のオリジナルキャラクター「防災戦隊チャレンジャー」に扮(ふん)して登場した。宮川教頭は「児童らを地域に貢献できる大人に育てたい」と話した。【後藤豪】

優秀賞表彰式 宮古工が出席/岩手

神戸市の兵庫県公館で12日開かれたぼうさい甲子園(毎日新聞社など主催)の表彰式・発表会に、県内からは高校生部門で「優秀賞」を受賞した県立宮古工業高が出席した。

宮古工業高は、2005年から津波を実演できる津波模型を製作。県内外の小中学校や公民館などに出前授業に出かけ、模型に水を流して津波がどこの場所まで浸水するか、実演を通して、普段からの備えの重要性を訴えている。

表彰状と盾を受け取った機械科3年、伊藤亮太さん(17)は「自分たちがこの場にいるのは、これまでの9年間に模型を製作して受け継いでくれた先輩方がいたから。活動を支えてくれた多くの人に感謝するとともに、次は自分たちが後輩へ取り組みを伝えていきたい」と喜びを語った。【向畑泰司】

女川、南吉成中を表彰–神戸/宮城

神戸市の兵庫県公館で12日開かれたぼうさい甲子園(毎日新聞社など主催)の表彰式・発表会に、県内初の「グランプリ」に輝いた女川町立女川中と、被災地での活動を対象とする「はばタン賞」を受賞した仙台市立南吉成中の関係者が出席した。

女川中の3年生は、東日本大震災の翌月に入学。「被災したふるさとに何ができるのか」と生徒らが話し合い、独自の津波対策案を策定した。2012年から町内全21カ所の浜の津波最高到達点に石碑を建てるプロジェクトを始め、約半年間で1000万円の募金を集めて昨年11月に3基が完成した。

発表会で活動を報告した3年の神田七海さん(15)と山下脩さん(15)が、入学時から活動を支えた阿部一彦教諭(現気仙沼市立唐桑中教頭)に対して「ありがとうございました」と感謝を伝えると、会場から大きな拍手が送られた。神田さんは「活動を通じて支援の大きさを感じた。これまで応援してくださった全ての人に感謝したい」と喜びを語った。

南吉成中は沿岸部の津波被災農家の手伝いをして被災者との交流や地域防災訓練を実施するなど生徒主体の活動に取り組んだ。表彰式に出席した高橋教義校長は「今年度は生徒たちが主体的に行動したことで活動の幅が広がった。今後も生徒自身が考え、行動する取り組みを続けたい」と話した。【向畑泰司】

仁賀保高Be助人、表彰式に出席/秋田
県立仁賀保高Be助人のメンバ
ぼうさい甲子園で表彰される県立仁賀保高Be助人のメンバー=神戸市中央区で、望月亮一撮影

神戸市の兵庫県公館で12日、開かれたぼうさい甲子園(毎日新聞社など主催)の表彰式・発表会に、県内からフロンティア賞を受賞した県立仁賀保高Be助人(ビスケット)が出席した。

メンバー106人で、昨年3月と8月に学校で「1泊避難訓練」を実施。生徒が学校に泊まり、避難所運営などに取り組んだ。同賞は、過去に応募が少なかった地域での取り組みが対象で今年度、新設された。

河田恵昭・人と防災未来センター長から表彰状を受け取った1年の桜庭千帆さん(16)は「何度も被災地に足を運び、自分の身は自分で守ることの重要性を痛感した。これからも活動を通じて、地域の防災意識を高めたい」と話した。【米山淳】

東金特別支援学校を表彰 高校生部門大賞で/千葉
県立東金特別支援学校の生徒たち
ぼうさい甲子園でぼうさい大賞を受賞し、表彰される県立東金特別支援学校の生徒たち=神戸市中央区で、望月亮一撮影

神戸市の兵庫県公館で12日、開かれたぼうさい甲子園(毎日新聞社など主催)の表彰式・発表会に、県内からは、高校生部門でぼうさい大賞を受賞した県立東金特別支援学校が参加した。

高等部の教諭や生徒が、お笑い芸人のネタを元に替え歌「あたりまえ体操」を作り、校内外に広げている。この日の発表会では「とにかくにげっぺ!(逃げよう) あたりまえぼうさい」など、東日本大震災の教訓を盛り込んだ歌と踊りを披露し、会場を沸かせた。

井戸敏三・兵庫県知事らから表彰状を受け取った生徒会長の萱生(かよう)世良さん(18)は「地震が起きたら頭を守ることなど、本当に当たり前のことを歌に盛り込んでいるので、多くの人に伝えたい」と話した。【重石岳史】

 

ぼうさい大賞の糸魚川・根知小に表彰状/新潟
糸魚川市立根知小学校の児童たち
ぼうさい甲子園でぼうさい大賞を受賞し、表彰される糸魚川市立根知小学校の児童たち=神戸市中央区で、望月亮一撮影

神戸市の兵庫県公館で12日に開かれたぼうさい甲子園(毎日新聞社など主催)の表彰式・発表会に、県内からは小学生部門でぼうさい大賞を受賞した糸魚川市立根知小が出席した。

同小は2011年から防災教育への取り組みが活発化し、今年度は、新たに「コドモ防災クラブ」を作った。救命法を学ぶ▽防災カードゲーム「クロスロード」に挑戦▽地域安全マップづくり――などの活動に励んできた。井戸敏三・兵庫県知事と若菜英晴・毎日新聞大阪本社編集局長から表彰状や盾などが手渡され、会場からは拍手が起こった。

取り組みを発表した6年の渡辺理依那さん(12)は「3月で卒業するけど、最後の年に大賞をいただいてうれしい」と喜んだ。【後藤豪】

御嵩・上之郷小を表彰 地域交流評価/岐阜
御嵩町立上之郷小の福井俊道校長
ぼうさい甲子園で表彰される御嵩町立上之郷小の福井俊道校長(右)=神戸市中央区で、望月亮一撮影

「これまでの取り組みが評価されてうれしい」――。神戸市の兵庫県公館で12日開かれたぼうさい甲子園の表彰式・発表会に、県内からは、「教科アイデア賞」を受賞した御嵩町立上之郷小の教員らが出席した。

同賞は、教科教育などに防災教育を取り入れた活動に贈られる。同小は、地元消防団との交流や、親子登下校で通学路を点検するなど、地域との協力を進め、活動に広がりがあることが評価された。

河田恵昭・人と防災未来センター長から表彰状を受け取った福井俊道校長(55)は「教員たちは力を合わせて、粘り強く良くやってくれた。活動する中で、地域との距離が縮まっていった。これからも続けていきたい」と話した。【寺岡俊】

大学生部門優秀賞の美浜のMMMを表彰 「住民との信頼関係を」/愛知
地域貢献団体MMMのメンバー
ぼうさい甲子園で表彰される地域貢献団体MMMのメンバー=神戸市中央区で、望月亮一撮影

神戸市の兵庫県公館で12日、開かれたぼうさい甲子園(毎日新聞社など主催)の表彰式・発表会に、県内から大学生部門の優秀賞を受賞した美浜町の「地域貢献団体MMM(スリーエム)」が参加した。

南海トラフ地震で被害が予想される同町で、「手をつなごうプロジェクト」と題して、地域住民と地元大学生が一緒に昨年5月から地域防災セミナーを開いている。炊き出し訓練や被害想定の勉強会も開いた。

井戸敏三兵庫県知事から表彰状を受け取った代表の西井智隆さん(21)は「賞がもらえるとは思ってもみなかった。住民と学生が話し合いを繰り返すことで、互いに信頼しあえるコミュニティーをつくっていきたい」と話した。【米山淳】

2014年1月12日

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