ぼうさい甲子園2013 表彰式・発表会(2)
佛教大の応援隊「学生、地域つなぐ」–表彰式/京都
神戸市の兵庫県公館で12日開かれたぼうさい甲子園(毎日新聞社など主催)の表彰式・発表会には、府内からは大学生部門で奨励賞を受賞した佛教大大宮防災と福祉のまちづくり応援隊が参加した。
応援隊は、高齢化が進む京都市北区の大宮学区で2010年、同学区社会福祉協議会が主催する「防災と福祉のまちづくり講座」に学生が参加したことをきっかけに発足。災害時に高齢者らを支える近隣支援者に登録し、見守り活動などを行っている。
若菜英晴・毎日新聞大阪本社編集局長から表彰状を受け取った3年の西村真哉さん(20)は「支援が必要な1人暮らしの高齢者は学区に約100人いる。学生から多くの支援者を募り、地域とつなげたい」と話した。【重石岳史】
地震・津波想定、地域の担い手に フロンティア賞の南港南中 神戸で表彰式/大阪
「自分たちの取り組みが評価されてうれしい」―。神戸市の兵庫県公館で12日開かれたぼうさい甲子園表彰式・発表会に府内からは中学生部門で「フロンティア賞」を受賞した大阪市立南港南中が参加した。フロンティア賞は、過去に応募が少なかった地域での取り組みが対象で、今年度新設された。
海に近い南港南中は、従来は火災を対象にした避難訓練を昨年度から地震・津波を想定したものに替えた。同中の近くには高齢者が多く住む集合住宅や幼稚園があり、「中学生が地域防災の担い手になることが必要」との考えから、地域と連携した活動を展開。今年度は1~3年生の希望者約30人と生徒会所属の生徒を「防災リーダー」に任命した。
昨年9月に地域住民も参加した避難訓練では、防災リーダーが近隣の高齢者と園児の避難誘導の手伝いをするなど地域ぐるみでの活動に取り組んだ。活動は防災だけにとどまらず、高齢者支援のための認知症の学習会なども取り入れている。
河田恵昭・人と防災未来センター長から表彰状を受け取った福島信也校長は「活動を通じて生徒たちに地域の担い手だという自覚が芽生えているのを感じる。今後も防災を通じて、地域とのつながりや活動の輪を広げていきたい」と喜びを語った。【向畑泰司】
阪神大震災19年 ぼうさい甲子園・継続こそ力賞、太陽の子を表彰–神戸/兵庫
神戸市の県公館で12日、開かれたぼうさい甲子園(毎日新聞社など主催)の表彰式・発表会に、県内から、継続こそ力賞を受賞した神戸市の造形絵画教室「アトリエ太陽の子」が出席した。
東日本大震災の被災地で、絵画を通じた支援活動を続けている。「命の一本桜プロジェクト」では、子どもたちがクレヨンで桜の幹や地面を描いた巨大な紙に、ピンクの水彩絵の具を手のひらに塗って押し当て、花びらを表現した。これまで被災地の延べ42校を訪ね、51本の桜を描いた。
代表の中嶋洋子さんは「桜には子どもたちの思いが込められている。絵を描くことで子どもに生き生きした表情が戻った。芸術の力を感じている」と話した。【重石岳史】
表彰式・発表会 小松島・坂野小と徳島・津田中、優秀賞 「これからも活動続けたい」/徳島
「これまでの取り組みが認められてうれしい」――。神戸市の兵庫県公館で12日開かれたぼうさい甲子園表彰式・発表会に、県内からは「優秀賞」を受賞した小松島市坂野小と徳島市津田中の生徒らが参加。それぞれ河田恵昭・人と防災未来センター長から表彰状と盾を受け取った=写真。
坂野小は、避難マップを作る際、高齢者や子どもがいる家庭を把握するため、地域の家を一軒一軒歩いて回って家族構成を確認した。6年の前田遙さん(12)は「避難マップを地域に配ったとき『ありがとう。みんなで、見るけんね』と言ってもらえてうれしかった。防災の活動を続けてきて良かった」と振り返った。
津田中はこれまで、グランプリを含めて4度「ぼうさい大賞」を受賞した実績がある。2年の山本雛子さん(14)は、先輩の活躍をニュースで見て、「やってみたい」と今回初めて活動に参加した。
園児への出前授業では、小さい子でも分かるように簡単な言葉に言い換えるよう心がけた。授業後、園児から「楽しかった」と笑顔で言ってもらえたことが一番印象に残っている。山本さんは「まだまだ南海地震の怖さを知らない人も多い。これからも活動を続けていきたい」と抱負を語った。【寺岡俊】
「STみなみ」表彰式に出席/香川
神戸市の兵庫県公館で12日開かれたぼうさい甲子園の表彰式・発表会に、県内からは、2年連続で「だいじょうぶ賞」を受賞した高松市立太田南小地域安全チーム「STみなみ」のメンバーが出席した。
同賞は、防犯にも応用できる取り組みを表彰する。STみなみは2012年9月に、自治会など地域団体が連携して子どもの命を守ろうと設立。通学路に立ったり、危険な交差点では、歩行者用の道路を「カラー舗装」するなどした。
若菜英晴・毎日新聞大阪本社編集局長から表彰状を受け取ったSTみなみの実行委員長、松本健繁(たけしげ)さん(77)は「最近では、子どもの方からあいさつをしてくれたり、地域に根ざして来たと実感している」と語った。【寺岡俊】
愛南町立柏小、表彰式に出席/愛媛
神戸市の兵庫県公館で12日、開かれたぼうさい甲子園(毎日新聞社など主催)の表彰式・発表会に、県内から津波ぼうさい賞を受賞した愛南町立柏小が出席した。
昨年度の「教科アイデア賞」に続き、2度目の受賞。今年度は、過去の南海、東南海、東海地震の起きた時期をグラフ化し、今後の地震発生の可能性を予測する研究に取り組んだ。また、全児童46人が、それぞれの家庭での防災活動を発表する集会を学期ごとに開いている。
河田恵昭・人と防災未来センター長から表彰状を受け取った松広歩校長は「子どもたちの活動によって地域全体の防災意識も高まっている。これからも命を守る活動を続けていきたい」と話した。【米山淳】
大賞「県立大イケあい」に賞状 「未災地」の備え問う/高知
神戸市の兵庫県公館で12日、開かれたぼうさい甲子園(毎日新聞社など主催)の表彰式・発表会に、県内からぼうさい大賞を受賞した県立大イケあい地域災害学生ボランティアセンターが出席した。
南海トラフ地震で被災すると言われる県内の地域を「未災地」と呼び、昨年5月に関東や関西の大学生15人が参加する「未災地ツアー」を実施。被災が予想される地域に対して何ができるかを考えるきっかけを作った。
井戸敏三・兵庫県知事から表彰状を受け取った県立大3年、芝田早紀子さん(21)は「災害が起きた時に、全国から高知に支援に来てくれる大学生と高知県を結びつけたかった」と話している。【米山淳】
2014年1月12日