ぼうさい甲子園2015 表彰式・発表会


命と街、私が守る 若き力、未来開く

優れた防災教育の取り組みを顕彰する今年度の「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)=毎日新聞社、兵庫県、ひょうご震災記念21世紀研究機構主催、UR都市機構協賛=の表彰式・発表会が10日、神戸市中央区の兵庫県公館で開かれた。11回目の今回は、小学生、中学生、高校生、大学生の4部門に計117校(団体)の応募があり、29校(団体)が入賞した。活動を報告したグランプリ、ぼうさい大賞、優秀賞の8校の発表などを紹介する。

賞状などを手に記念撮影をする受賞者ら=神戸市中央区の兵庫県公館で2016年1月10日、宮武祐希撮影

グランプリ

防災隊、園児を手助け 愛知県半田市立亀崎小

グランプリに輝いた愛知県半田市立亀崎小からは、吉田結さん(6年)と小出真由さん(5年)らが出席した。発表で「自分の命を守ることは自分自身の夢を守ること」などと訴えた。
亀崎小学校区は衣浦湾に面し、2011年の東日本大震災を機に、津波や高潮、地震などの防災教育に取り組み始めた。全学年で防災授業があるだけでなく、4~6年の有志43人でつくる「亀っ子防災隊」が活動している。この日、報告者2人は防災隊ユニホームの赤いTシャツを着て壇上に姿を見せ、活動報告をした。
地元の防災行事の運営を手伝い、幼稚園との合同避難訓練では園児を手引きした。また、児童が調べた内容を展示する学習室を学校内に作ったことなどを写真を映し出しながら説明した。
「防災に必要な力は災害時だけのものではない」ことに気付いたという。人に優しくすること▽協力▽コミュニケーション▽問題解決――はいずれも「普段の生活でとても大切。小学生にもできること、小学生だからできることがある」と話し、大きな拍手を受けた。

合唱で被災者に勇気

表彰式は、子どもたちの歌声で幕を開けた。神戸市立西灘小学校6年生37人でつくる「しあわせを運ぶ合唱団」が、「あじさいを咲かそう」「笑顔の向こうに」「しあわせ運べるように」の3曲を歌った。

指揮をしたのは、復興応援歌「しあわせ運べるように」を作詞、作曲した同校教諭の臼井真さん。「子どもたちの歌声なら神戸をいやすことができるのではないか」と阪神大震災の発生2週間後にこの曲を作ったことを話した。残る2曲も臼井さんが作曲した。
歌い終わった後、メンバーの岸本愛海さんは「緊張したけど、いつものように歌えた。震災でつらい思いをした人たちを勇気づけたい」と話した。

楽しい工夫、感心 司会・田中さん

発表会の司会は、兵庫県立加古川東高校放送部1年の田中優衣さんが務めた。事務局からシナリオを渡されたが、それぞれの発表が終わった後のコメントはリハーサルを聞いて自分で文章にした。
「女川1000年後の命を守る会」の発表には、「命の大切さ、尊さを感じ、また、一人でも多くの命を守りたいという強い思いが伝わってきました」とコメントした。
大役を終えて田中さんは「防災というと重たい、とっつきにくい内容かと思っていたが、楽しく、分かりやすく伝えようと工夫していて良かった」と話した。

歴代グランプリ受賞校・団体

2005年度 兵庫県立淡路高
2006年度 兵庫県立舞子高
2007年度 福島県立双葉高
2008年度 神戸学院大防災・社会貢献ユニット(兵庫)
2009年度 水の自遊人しんすいせんたいアカザ隊(山口)
2010年度 徳島市津田中
2011年度 徳島市津田中
2012年度 岩手県宮古市立鍬ケ崎小
2013年度 宮城県女川町立女川中
2014年度 和歌山県田辺市立新庄中
2015年度 愛知県半田市立亀崎小

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