《高校生部門》優秀賞・要旨 毎日農業記録賞①
「農業高校にハマった私」–藏川千穂さん(18)
農家出身でもなく何となく農業高校に入学した私。実習を通じもっと植物と対話したくなり、屋外でしか育たなかった植物を室内に持ち込む難問に挑戦した。植物ホルモン中の生成抑制剤で試行を重ね、テーブルパンジーを完成。また光合成に着目しサボテンをインテリア容器内で長期観賞できるようゆっくり育てることにも成功、専門家にも評価された。農業というフィールドでキラキラ輝ける生活を満喫している。
くらかわ・ちほ
1990年、青森県三沢市生まれ。現在は三本木農業高校植物科学科3年。中学時代はソフトボール選手、高校に入ってからはバドミントン部の選手としても活躍。趣味は外国映画鑑賞で、好きな音楽はクラシック。両親と弟2人の5人家族。
「我が家の農業を見つめて~今、自分にできること~」–田尻和之さん(16)
中学2年で父を亡くし、母と2人で農業をやることに。3頭の牛も1ヘクタールの田も減らすことになったが、手伝いは何一つできなかった。「もっとおやじに教わっていれば」。農業を学べる高校に進学。苗への効率のいい水のやり方や農業経営を知り「今できることはできるだけ多く学び、我が家にいかすこと」と考える。さらに近所の高齢者に機械を修理してもらった体験などから「地域の農業を助けていける存在になりたい」。
たじり・かずゆき
岩手県遠野市生まれ。県立遠野緑峰高校の生産技術科2年。中学2年の時、父を病気で亡くして以後、代わって肉牛繁殖と稲作に汗を流す。削蹄師や家畜人工授精師の資格を取り「地域の農業を助けていける存在になりたい」と目標を語る。
「『MOTTAINAIプロジェクト』で広がる私の夢」–竹田圭佑さん(18)
再生可能な生物資源として、地元で生産が盛んなワインの搾りかすに着目した。ほとんどが投棄されていた資源を、飼料にする構想だ。水分を減らすため県畜産試験場で何種類かのデータを作ってもらった結果、米ぬかやおからと混合し発酵させることにした。「MOTTAINAIプロジェクト」と名付けたこの研究は、飼料高騰に悩む地元も注目。将来は、生物資源を有効利用する地域の指導者の道を歩みたい。
たけだ・けいすけ
祖母、父、母、妹の5人家族。実家は祖父の代まで農家で、稲作をしていた祖父母の影響で農業高校へ進学。専攻は畜産。片道1時間かけ自転車で通う。小学5年から始めたバスケットを大学でも続ける予定。ポジションはポイントガード。
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