第40回毎日農業記録賞《一般部門》 優秀賞①


花で笑顔を

和田康伸さん(35)=福島県須賀川市

花で笑顔を 和田康伸さん(35)=福島県須賀川市

父が新鉄砲ユリで農林水産大臣賞を受賞し、小学校高学年で同じ道へ進む決意をした。今はハイブリッドスターチス栽培が主力。2年前に小学4年の長男が私の農林水産大臣賞受賞で「将来の夢、お父さんと同じ花作り」と書いてくれた。東日本大震災で折れそうな心の中、花を選ぶお客様の穏やかな表情を見て、「花で笑顔になってもらいたい」と思った。これからも福島から世界へと笑顔の輪が広がることを夢に見ながら、この須賀川で生きていく。

わだ・やすのぶ

子どもは小6、小4の男2人。家族は、両親、祖父母、弟を合わせて計9人。

私の元気届けます!

池田容子さん(60)=埼玉県所沢市

私の元気届けます! 池田容子さん(60)=埼玉県所沢市

長男が軽いアトピーだったことなどから、約30年前に1人で有機無農薬栽培を始めた。生活クラブ生協の会員に注目され、直売を開始。キウイの観光果樹園や野菜の収穫体験などを導入。99年のダイオキシン騒ぎで打撃を受けたが、有機レストランとの新規取引で再出発を決意。長男も就農し、ジャム加工などにも活動の幅が広がった。野菜や果物に、おいしさだけでなく私の元気(大地の元気)も添えて届け、お客様の生命の糧になってくれることを祈る。

いけだ・ようこ

同市の畑作農家の長女として生まれる。05年から農園名を「陽子ファーム」とした。

四頭の仔豚(こぶた)から

相原海さん(33)=神奈川県南足柄市

四頭の仔豚(こぶた)から 相原海さん(33)=神奈川県南足柄市

02年に妻と傾斜地を開墾し、翌年に4頭から「農場こぶた畑」を始めた。経営の目標は、豚の本来もつ力を生かして、風土と人の暮らしの間に豚を位置づけること。地域のパンくずなどを集めて発酵させ、青草と合わせてえさにし、通常の4倍のスペースで肥育し、ふんは堆肥(たいひ)にして農園で使う循環を大事にしている。農業と暮らしが近接し、結びついていることが日本農業の魅力の一つ。土に根ざした経済を提示できる農村・農民が求められていると感じる。

あいばら・かい

経営は妻祐子さんと二人三脚。2人は有機農業の栃木県市貝町「ウインドファミリー農場」で知り合ったという。

農的暮らしのすすめ

加藤大吾さん(39)=山梨県都留市

農的暮らしのすすめ 加藤大吾さん(39)=山梨県都留市

東京で生まれ育ち、生態系に根差した暮らしを目指して、都留市に家を造った。09年、耕作放棄地を借りて農家に。米作りで収穫を得て食に対する心配はなくなった。アイガモ農法にも挑戦し、無農薬無肥料で栽培を続けている。野菜も耕さずに作る。巣箱をかけて野鳥にすんでもらうと、畑のいもむしもいなくなり、生き物と協業できることを体験した。農業による自給自足に、自分のやりたい仕事で現金収入を得る「半農半X」という生き方が理想的だと思う。

かとう・だいご

NPO法人「国際自然大学校」(東京都狛江市)職員を経て独立。有機農業NPO「都留環境フォーラム」代表理事。妻と子ども4人の6人家族。

明日の風景

小神子真澄さん(70)=大阪府和泉市

明日の風景 小神子真澄さん(70)=大阪府和泉市

夫婦とも中途の聴覚障害で、休耕田を借りて40年近く野菜作りを続けている。家族で食べきれない分は、同じ障害の仲間に持って行くようになった。仲間を招待した時は、皆が満ち足りた顔で帰って行くのが喜びだった。夫婦で今日まで続けられたのは、夫の野菜をいつくしむ気持ちと、野菜作りに楽しみを見いだす心、野菜を手にする仲間たちの喜びにあふれた笑顔。今も仲間が時折訪れて楽しんでいるのが、自分たち流の「憩いの家」だったのかもしれない。

こみこ・ますみ

旧満州生まれ、北九州市育ち。趣味は手話を取り入れた創作ダンスとボーリング。

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