《一般部門》優秀賞・要旨 毎日農業記録賞②


「Dreams come true~施設園芸農業『こころみ工房』の能性を見つめて~」–森田和子さん(54)

森田和子さん

「ダウン症の青年を施設で抱えるのではなく地域で」と知人に頼まれ始めた園芸施設工房。その青年によって、夫が突然始め抵抗のあった農業に生きがいを感じるようになった。養護学校の実習先となったり、農協女性部の活動に参加するうちに、障害者受け入れを希望する農家も増加。食・人・地域をつなげる「夢ネットワーク」の広がりを実感する。

もりた・かずこ

静岡県沼津市生まれで、獨協大ドイツ語学科卒。98年に夫の信行さんが水耕栽培の「こころみ工房」(http://kokoromikoubou.web.fc2.com/)を始め、夫婦で経営を担う。05年から地元のJAなんすん女性部金岡支部長。学習塾も経営する。

「家族みんなで農業ができる幸せ」–福井直子さん(47)

福井直子さん

「兼業なら時間があるだろう」と嫁いだ農家。ところが作業と子育てでストレスがたまり実家へ戻ったことも。やがて専業となり、転作作物にも取り組んで規模を拡大。県認定の農村生活アドバイザーや農業委員として活動するうち、子供も就農した。「農業生産法人化など夢は広がる。若い力とともに前向きに取り組みたい」

ふくい・なおこ

1961年、愛知県豊橋市生まれ。高校を卒業後、証券会社に就職。20歳で結婚し、農業に携わる。03年、県農村生活アドバイザーの認定を受ける。現在は同市の農業委員や県農業会議常任会議員などを務める。趣味は、編み物やスキーなど。

「富夢創野の冒険」–有澤久志さん(48)

有澤久志さん

東京で映像の仕事をしていて体を悪くしたのを機に通った就農準備校で、人の免疫力を高めるというハーブにひかれた。出身地・富山で農地をようやく借り、当時県内にはなかったハーブ農園として「富夢創野(トムソーヤ)」を作った。今はハーブカフェも併設。元気に農業を続けられることへ感謝しながら、農家出身でなくとも就農しやすい環境作りを訴える。

ありさわ・ひさし

1960年、富山市生まれ。35歳でハーブ農園経営を志し、東京の映像製作会社を退職。研修を経て1ヘクタールの農地を借り、98年に「ハーブファーム富夢創野」を開設。08年春、ハーブカフェを開設。妻美千代さんとの間に1女。

「古里の土に親しむ」–井上宏さん(79)

井上宏さん

定年後、人の住まなくなっていた生家に戻り「定年帰農」した。3年単位の年次計画を立て、気候条件や地域の作物を調べることから開始。果樹や山菜などを少量多品目生産し、直販グループに参加した。過疎化の進む中山間地の集落で、予想しなかった自身の「加齢」に直面しながらも、来年度からの「第4次計画」で取り組む品目を模索している。

いのうえ・ひろし

1955年、京都大大学院農学研究科修士課程修了。77年、香川大農学部教授。78年、同学部付属農場長。93年、近畿大生物理工学部教授。専門は果樹園芸。00年3月、生家がある丹波町(現京丹波町)に戻って農業を始める。香川大名誉教授。農学博士。

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