第38回毎日農業記録賞 ≪高校生部門≫優秀賞②


トマト栽培の将来と地域農家一丸となった農業をめざして

松永良太さん(17)=岐阜・岐阜農林高3年

岐阜県立岐阜農林高でトマトの芽かきに励む
岐阜県立岐阜農林高でトマトの芽かきに励む

家はトマト栽培農家。地域は今、農薬の効かないコナジラミに苦しんでいる。県農業高校生実習でオランダの企業を視察。コナジラミの天敵も研究されており、自分の農業経営の目玉にしたいと思った。ブラジルでは日系入植者と話し「地域農家一丸の農業」を目指そうと確信した。

海外派遣の仲間とネットワークを作って、消費者のニーズをつかんだり、加工品販売にも生かし、トマトを広げるのが夢だ。

まつなが・りょうた

トマト栽培農家の長男。岐阜農林高園芸科学科で学ぶ。ハウス1棟を3年生のトマト専攻班10人で管理するが、男子1人なのが悩みの種。ビジュアル系バンドの音楽を大音量で聞くことが大好き。

将来の夢に向かって 二つの牛舎から学んだこと

小泉貴大(たかひろ)さん(18)=兵庫・農業高3年

兵庫県立農業高校で乳牛に餌をやる
兵庫県立農業高校で乳牛に餌をやる

きっと父のような立派な酪農家になってみせる。一人で約70頭を飼育する父にあこがれ、自宅と学校の牛舎で実習している。学校では共進会で評価される牛にも接し、放課後も休日も家で働くが、「休みがないのは牛も一緒や」と父。

進路を検討している時、口蹄疫(こうていえき)が拡大した。我が家の酪農を失うわけにはいかない。確かな技術と経営を学ぶため進学を決めた。時代の荒波にも伝染病にも負けない牧場を作る。

こいずみ・たかひろ

兵庫県立農業高校(http://www.hyogo-c.ed.jp/~kenno-ahs/index2.html)畜産科で学んでいる。畜産の魅力は「牛は愛情を注げば仕草で応えてくれるところ」。趣味は小学4年から続けるブラックバス釣りだ。

熱帯の植林ボランティアに参加して

岡田宗之さん(17)=山口・山口農業高3年

受賞の知らせにガッツポーズ
受賞の知らせにガッツポーズ

植林ボランティアでフィリピンのルソン島に行った。視野に入る全てが荒野。くわは土に刺さらない。ユーカリなどを植え、山火事想定の消火訓練もした。日本の復興を支えたのも、今ホームセンターで売る合板や木炭も「南洋材」。熱帯林破壊に加わっていた自分が恥ずかしく思えた。

日本の森林を健全に育てることも破壊防止につながる。「日本は緑豊かな国。あなたの国の緑も守る」と言えるように、知識と技術を身につけたい。

おかだ・むねゆき

瀬戸内海沿いの旧秋穂町(現山口市)で、幼稚園の時から裸足で外を歩き回る野性児だった。祖母、両親、姉との5人家族。高校では環境科学科森林資源コースで学び、将来は「生態系を大切にする仕事をしたい」。

 

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