第39回毎日農業記録賞 《一般部門》優秀賞②


人との絆が育ててくれた我が家の養鶏経営

奥野弘子さん(41)=兵庫県加古川市

人との絆が育ててくれた我が家の養鶏経営 奥野弘子さん(41)=兵庫県加古川市

約1万5000羽を飼育する採卵養鶏を専業で営んでいる。自家配合飼料を使い、全量を自主ルートで販売できるようになった。営農組合と一緒に飼料米を作付けし、北海道の友人に頼んで飼料用トウモロコシの契約栽培も始めた。国産飼料100%も夢でなくなった。良質の餌を食べた鶏の肉はおいしく、廃鶏肉加工ブランド化も進めている。知り合いの精肉店と一緒にスモークチキンなどの商品化ができた。

おくの・ひろこ

地元で「オクノの玉子」として知られる採卵養鶏会社オクノ取締役。ネット通販(http://www.okunofarm.co.jp/)も。

人との出逢いに守られて

安﨑三代子さん(48)=徳島県藍住町

人との出逢いに守られて 安﨑三代子さん(48)=徳島県藍住町

24年前、畜産農家から野菜の専業農家に嫁いだ。10年前、役場に事務局のある町新作物研究会に加わった。そこでは町の主力品目の洋人参に代わる特産物を研究。ミニ野菜の栽培に力を入れている。3年前からは地元の小学校など7校の給食へ野菜を供給。野菜のことをもっと知り、人にその素晴らしさを伝えるため「ジュニア野菜ソムリエ」の資格も取得した。今後も農業の楽しさを若い後継者に伝えていきたい。

あんざき・みよこ

夫やその両親と「あんちゃんふぁーむ」を営む。ミニ野菜の栽培に取り組む町新作物研究会で現在、夫が会長を務める。

やる気のある人材よ 来たれ農業に!!

仲神正樹さん(25)=愛媛県伊予市

やる気のある人材よ 来たれ農業に!! 仲神正樹さん(25)=愛媛県伊予市

私の夢は農業を「子供のなりたい職業ランキング1位」にすることだ。仲間と09年「農業戦隊タガヤスンジャー」という農業グループを結成。勉強しながら情報発信のためホームページを作ったり、加工品を製作したりしている。後継者が増えないのは、農家が農業の面白さを伝えきれていないからだと思う。自分にできることは、まず地元で農業を楽しくカッコよくしているのをみんなに見てもらうことだと思う。

なかがみ・せいき

農家の男ばかり3人兄弟の3番目。グループ「農業戦隊タガヤスンジャー」(http://sky.geocities.jp/tagayasunger_terao/)で活躍中。

育ててくれた故郷へ恩返し

下村幸蔵さん(41)=佐賀市

育ててくれた故郷へ恩返し 下村幸蔵さん(41)=佐賀市

潜水艦乗員を9年間してから故郷で就農した。無人販売所を有人にして法人化。現在では米、野菜の全てを直販している。力を入れているのは農業体験、消費者交流だ。そうしたことをするうち、作った人を知ってもらうことや、生産された地域を知って愛してもらうことが大切なことに気づいた。改めて故郷の良さを実感し、農業や農村の良さを発信していく。地域が豊かになってこそ日本も豊かになると信じている。

しもむら・こうぞう

「下村ファーム」を法人化。若手農家らと「農ができることを考える会」を発足させ、グリーンツーリズムなどに取り組んでいる。

とうちゃん、かあちゃん、ありがとう

武藤さゆりさん(36)=大分県豊後大野市

とうちゃん、かあちゃん、ありがとう 武藤さゆりさん(36)=大分県豊後大野市

結婚10年。8人家族で米と繁殖牛の経営をしている。長男が小学校に上がったと同時に、父母から経営を任せられたが、思うように収入が上がらず、口蹄疫が発生してさらに厳しくなった。そんなとき周囲の人たちから励まされ、相談できる仲間ができた。実は母が私達夫婦を助けてほしいと皆に頼んでいた。父母と腹を割って話し合い、いろいろなことを学んで皆で同じ方向を向いて頑張っていこうと決めた。

むとう・さゆり

実家は幼少期まで畜産農家。「農家に嫁ぐのに抵抗はなかった」。若い経営者が集まる研修会で、最近の農業の動向を勉強している。

入賞者一覧ページへ

顕彰のイベント一覧へ

顕彰