第40回毎日農業記録賞《高校生部門》優秀賞・特別賞


三沢農場

三沢拓也さん(18)=山形・村山農業3年

三沢農場 三沢拓也さん(18)=山形・村山農業3年

自分の家は冬の農閑期も300年の伝統を持つこんにゃく製造でフル稼働する。稲作、果樹、養豚を中心にいつも忙しいのが我が家の農業。これが安定した収入につながっている。他の農家で働く体験で、他にない価値のある商品を作る話を聞いて刺激を受けた。個人販売で固定客を広げる面白みも聞いた。もち米の飼料米でブランド豚を肥育したいと思っている。三沢農場で作るものへの期待を消費者に持ってもらい、同業者に刺激を与える農家になりたい。

みさわ・たくや

祖父母、両親、妹の6人家族。高校では自転車競技部副部長。

私は社長

上田悠さん(17)=石川・翠星3年

私は社長 上田悠さん(17)=石川・翠星3年

学校で加工品作りを通じて地産地消を推進する食品科学研究会に入部。2年で部長になり、模擬株式会社の設立を目指した。別の学校で指導する先生にも教わり、外部とのネットワーク作りを進め、今年度に1口1000円の出資を募り、模擬株式会社「SUISEI―FACTORY」が始動。場所を借りて私たちが開発した地産地消スイーツを月1回販売することなどに取り組んでいる。異業種、異世代との交流は勉強になり、これらの経験は今後自分にとって必ず役に立つと思う。

うえだ・ゆう

部長を務めた研究会は農林水産省主催「フード・アクション・ニッポンアワード2012」で製造・流通システム部門優秀賞。

食品加工から学んだこと

山内美紗さん(18)=山梨・県立農林3年

食品加工から学んだこと 山内美紗さん(18)=山梨・県立農林3年

世界中から飢餓をなくすのが夢。父の仕事で13歳まで7年間タイで生活し、日本の給食の残飯の多さや規格外の農作物が捨てられるのが問題だと思った。高校の食品科学科に入学し、祖父母の作る規格外のスモモを使い、酸味があり鮮やかな赤色のジャムを作った。このジャムと桃で作ったダブルピーチティラミスは東京の製菓学校のスイーツコンテストで金賞を受賞した。「もったいない」の気持ちで知恵を働かせ世界の飢餓が救えると思う。

やまうち・みさ

父、母、弟の4人家族。農林高の友達によると「料理や勉強の才能であふれてる」。

『じゅえり』がつないでくれた道

今村窓香さん(18)=長野・下伊那農業3年

『じゅえり』がつないでくれた道 今村窓香さん(18)=長野・下伊那農業3年

高校2年のコース選択で畜産も学ぶコースに進み、母牛のおなかの中にいた「じゅえり」の頭に触れた。誕生から今年2月の競りまで8カ月育て、もっと畜産を勉強したい気持ちが強まった。農家での体験学習で、牛の世話をしながら手術や受精卵回収などを見学。農家の牛への熱い夢に刺激を受けた。受精卵移植など最新の技術を身につけ、「自分の手でブランド牛を育てる」という夢の実現に向け、一歩一歩前進していきたいと思う。

いまむら・まどか

両親、祖母、弟の5人暮らし。12年6月の学校農業クラブ長野県大会意見発表会で最優秀賞。

就農目指して活動する中で

阪下健太さん(17)=静岡農業3年

就農目指して活動する中で 阪下健太さん(17)=静岡農業3年

自分の家は農家ではないが、農業の魅力、大切さを知ることで自営に取り組もうとする若者はたくさんいる。自分は畑が好きで農業高校に進学。非農家から就農するには農業法人への就職からと考え、高校2年の9月から法人での研修をした。研修では栽培技術を学び、販売の楽しさを感じたほか、販路開拓など経営の難しさも知った。卒業後は農業生産法人に就職して技術、経営を習得。独立後は、有機無農薬でおいしい野菜を作りたい。夢の実現に努力していく。

さかした・けんた

部活はバイオテクノロジーを扱う生物工学部。将来は皮が薄くてフルーツのようなトマトを作るのが目標。

 

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