第42回毎日農業記録賞《高校生部門》優秀賞


夢路~紅豚と共に歩む~

濱田詩乃さん(18)=宮城・小牛田農林3年

夢路~紅豚と共に歩む~ 濱田詩乃さん(18)=宮城・小牛田農林3年

高校で畜産を学び、宮城県畜産試験場が開発した赤毛の豚、「霜降りレッド」の普及を目指し、飼育に取り組んでいる。付加価値向上の取り組みでは、スペイン原産のイベリコ豚が森のドングリを食べて育つことを参考に、与える餌に試行錯誤。東日本大震災で津波被害を受けた沿岸部部に植樹されるドングリの木に着目した。このドングリを豚の飼育に生かし、塩害に侵された土地を農地として復興させることができると考えている。

はまだ・しの

宮城県美里町出身。幼いころから自宅で飼われていた犬や猫と触れあううちに「ずっと生き物に関われる仕事がしたい」と考え、農業高校に進学した。将来は地元で普及指導員として活動し、東日本大震災で被災した農家を支援していきたいという目標を掲げる。

福島県リンドウ復活のために!~鉢物リンドウ作出の取り組み~

星野夏深さん(18)=福島・福島明成3年

福島県リンドウ復活のために!~鉢物リンドウ作出の取り組み~ 星野夏深さん(18)=福島・福島明成3年

福島県は花の生産が盛んで、なかでもリンドウはかつて全国3位の生産量を誇っている。しかし東日本大震災の影響で、主産地だった飯舘村では栽培ができなくなってしまった。村の復興を支援するため、高校での研究成果を生かし、自分たちでリンドウの新品種を開発して村に贈ろうという取り組みを始めた。品種改良には時間がかかるが、後輩たちに活動を引き継いでもらい、ぜひ贈呈を実現させたい。

ほしの・なつみ

福島県伊達市出身。父、母、兄の4人家族。中学では美術部に所属し、2年次に伊達市の絵画コンクールで最優秀賞を受賞したこともある。高校では文芸部に所属。2014年10月に沖縄で開催された第65回日本学校農業クラブ全国大会の「農業鑑定競技会」に出場した。

想いを繋げる

関根 翼さん(16)=群馬・藤岡北1年

想いを繋げる 関根 翼さん(16)=群馬・藤岡北1年

実家は東日本でも有数の規模を誇る洋ランの切り花栽培農家。父の仕事を将来は継ごうと高校の進学先を決めた矢先の今年2月、未曽有の大雪被害に遭い、11棟のビニールハウスが全滅する大損害を受けた。一時は不安に押しつぶされそうになり、周囲の無理解に強い怒りも感じたが、一方で仕事に対する父の強い思いを知り、人のつながりの大切さも学んだ。この感謝の思いをいつか誰かにつなげたい。将来は日本一の洋ラン農家となって、支援に恩返しをしたい。

せきね・つばさ

群馬県立藤岡北高校の「フローラルライフコース」で草花園芸やフラワーデザインを学ぶ。同じコースの同学年16人中ただ1人の男子生徒。部活動は硬式テニス部。実家は約40年前から群馬県藤岡市で洋ラン「シンビジウム」の切り花を栽培し、東日本有数の経営規模だった。

梅ケ島茶で地域の活性化~私のお茶作りの夢~

秋山真早美さん(18)=静岡・静岡農業3年

梅ケ島茶で地域の活性化~私のお茶作りの夢~ 秋山真早美さん(18)=静岡・静岡農業3年

静岡・山梨県境の山間地、静岡市の梅ケ島地区のお茶農家に生まれ、将来は親の仕事を受け継ぎ、梅ケ島独特のおいしいお茶を作ることを夢見てきた。しかしお茶全体の価格低迷で収益は厳しく、父は専業経営をやめた。母も後を継ぐことには不賛成だ。でも自分はあきらめたくない。将来は高品質のお茶作りの技術を学ぶとともに、多くの人を梅ケ島に引きつける茶摘み体験ツアーの立案や新商品開発に取り組みたい。

あきやま・まさみ

家は曽祖父の代からの茶農家。毎日のように両親が育てたお茶を飲んできた。高校は親元を離れての寮生活。生物工学部に所属し、地元農家と協力して、わさびなど地場特産の振興活動にも力を入れた。進学予定の県立農林大学校では志を同じくする仲間との出会いを楽しみにしている。4人兄弟の末っ子。

持続可能な農業を目指して

鈴木理硫さん(16)=愛知・鶴城丘2年

持続可能な農業を目指して 鈴木理硫さん(16)=愛知・鶴城丘2年

祖父が作るミカンはとてもおいしい。安全なミカンを私たちに食べさせたいと、農薬を極力使わずに大変な手間をかけてミカンを栽培してくれている。そんな祖父のために「土着天敵」を利用して害虫を防除する無農薬栽培ができないか、学校でナスを使って実験に取り組んだ。収量や収益は農薬を使ったものり少なかったが、改善方法は見つかった。今後も土着天敵の利用を多くの作物に広げ、手軽に使えるよう研究していきたい。

すずき・みちる

父、母、姉の4人暮らし。中学高校と吹奏楽部でトロンボーンを担当している。趣味はお菓子作りで母が大好きな「パウンドケーキ」や「アップルパイ」が得意。これからは父にも喜んでもらえるよう、晩ご飯のおかずに味付けの難しい「煮物」や「煮魚」にも挑戦したいと意欲を見せる。

シロアリが世界を救う

三木奈緒さん(18)=兵庫・県立農業3年

シロアリが世界を救う 三木奈緒さん(18)=兵庫・県立農業3年

幼いころから虫が大好きで、よく山に行って虫を採集し、飼育している。学校で肥料について学んだ際、腸内微生物の力でセルロースを分解するシロアリの排せつ物が、肥料になるのではないかと思いついた。実際にシロアリを飼育し、紙くずや生ゴミを与えて分解させ、肥料にする実験や腸内細菌の培養に取り組んでいる。シロアリは世界の土壌を救う救世主だ。実験を成功させ、化成肥料よりも作物の生育がよくなる肥料を作り、世界の農業に貢献したい。

みき・なお

兵庫県立農業高校では生物工学科に在籍し、農業とバイオテクノロジーを学ぶ。部活動は山岳部、放送部、文芸部に所属。昆虫採集と昆虫館巡りの趣味は父親の影響を受けた。最近は蚕を飼い、出かけるときも連れていった。大学でもシロアリの研究を深めるつもり。

『こんにちは、西川農園園主です』~西川農園の今までとこれからと~

西川怜央さん(17)=香川・県立農業経営2年

『こんにちは、西川農園園主です』~西川農園の今までとこれからと~ 西川怜央さん(17)=香川・県立農業経営2年

隣家の農家の手伝いで農作業を始めたのは小4の時。自分でも栽培してみたくなり、祖父の畑を借りて見よう見まねで野菜作りを始め、おもしろさに引き込まれた。中2の時に畑を「西川農園」と名付け、直売を始めた。6㌃の畑の管理にはデジカメやタブレット端末を活用。ブログを毎週更新して農家や消費者との交流の場としている。有機栽培でブランド化を図り、農園の規模も広げたい。

にしかわ・れお

小学生の頃から毎週土日を畑で過ごすためか、友人からよく「変わっている」と言われる。中学時代は卓球部、現在は写真部に所属。最近新しく買ったカメラで野菜はもちろん、夕日や花などの風景も撮影している。ブログ「西川農園」は(http://ameblo.jp/nishikawanouen-11/)。

お茶と共に

松延真澄さん(17)=福岡・八女農業3年

お茶と共に 松延真澄さん(17)=福岡・八女農業3年

八女茶発祥の地として600年の歴史を持つ福岡県八女市の笠原地区の茶農家に生まれた。家では、先祖が見いだした独自の品種「白茶」の栽培に取り組んでいる。2012年の夏には九州北部豪雨災害に見舞われ、地域が孤立。手塩にかけた茶畑も玉露棚も崩れてしまった。茶業経営は厳しく、災害を機に地域から離れた人も少なくないが、この素晴らしい八女茶発祥の地をなくさないためにこれからも茶について学び、地域を担う技術者、経営者になりたい。

まつのぶ・ますみ

茶農家の次女に生まれ、物心ついた時から遊び場は自宅の茶畑だった。小学生の時から大人と一緒に農作業も。姉は東京農大の学生で、自身も農学部進学を目指す。「ジュースよりお茶が好き」といい、5歳から茶道を学ぶなど、生活の中にいつもお茶があった。高校では弓道部に所属。

牛飼いになりたい

若杉将太郎さん(18)=大分・玖珠農業3年

牛飼いになりたい 若杉将太郎さん(18)=大分・玖珠農業3年

緑豊かな九重町で和牛飼育と水田経営を営む兼業農家に生まれた。中2の時、祖母がけがをして牛飼いをやめる話が出たが、世話を自分が行うことを条件に、牛飼いを続けてもらった。牛飼いになりたい、と強く思った。進んだ高校では、共進会や品評会への出場、研修などで経験を積んで知見を広げ、将来の具体的な経営内容についてイメージが膨らんだ。今後も技術をしっかりと身につけ、収益的に安定した、誰にも負けない経営を実現させたいと考えている。

わかすぎ・しょうたろう

理想の畜産経営を高く掲げて突き進む頑張り屋だ。半面、人の意見に耳を傾け、臨機応変に対処する柔軟さも。2014年10月の大分県畜産品評会では、学校農場で手塩にかけて育てた「きくちよ25号」が最優秀賞(県知事賞)に輝き、畜産業界の〝プリンス〟的存在に。

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