第43回毎日農業記録賞《一般部門》 最優秀賞
つなぐ、きぼうしゅうらく
農業、佐藤可奈子さん(28)=新潟県十日町市
大学時代、ボランティアとして訪れた新潟県十日町市の山村と住む人々に魅了されて移住し、就農した。村の人たちは「農業は気持ち」「農業は一生勉強」と励ましてくれる。農業というよりも、生き方を学んでいるようだ。豪雪も山地も女性も関係ない。この山地で、小さくても豊かな農業をして子供を育てて生きていきたい。
富士の恵みに感謝して挑む三代目のわさびづくり
農業、菊地富美男さん(48)=山梨県都留市
わさび園の3代目として少しずつ栽培面積を広げていく中で、土や植物、昆虫など生き物の自然のバランスの大切さを知り、約20年前、無農薬栽培に切り替えた。当時は理解されず、試練の連続だったが、信念を貫いた。今では全国から注文が寄せられる。これからも自然の力を信じ、環境を大切にしながらわさび作りに励みたい。
種と共に歩む百姓を目指して
農業、池松健さん(36)=福岡市
子供の成長を近くで見ていたいと、海外建設コンサルタント業をやめて就農した。現在約50アールの畑と採卵養鶏100羽で有機農業をしている。自分の畑で最高の野菜を育てるため、固定種野菜を自家採種している。自家採種して育てた野菜は栽培中も一層愛着がわく。失敗もあるが、栽培する野菜をすべて自家採種し、伝統野菜の栽培にも取り組んでいきたい。
農業で繋(つな)ぐ過去と未来
農業生産法人代表、高田龍也さん(37)=大分県由布市
父から継いだ建設会社の再生を期して、農業に参入した。先人の知恵に学び、田植えの時期をずらすなど栽培法を改めた。食味のコンクールで賞を受賞して品質が裏付けられ、多くの顧客がつくようになった。火災に遭った時には、多くの顧客から力をもらった。これからも人と人をつなぐ農業を続けていきたい。