第44回毎日農業記録賞《一般部門》 優秀賞


『私は素人農業人』~新しい農業の形を求めて!~

山本光康さん(60) 栃木県小山市

商社勤めだったが、父の死をきっかけに就農し、農業生産法人を設立した。不耕起栽培の米や、さつまいも、雑穀を主力に健康とおいしさにこだわった。商社の経験を生かし、道の駅やホテル、サービスエリアなどに販路を広げ、かんぴょうなどの加工品も開発。

「自ら生産・加工・販売する」路線を進め、稼げる魅力ある農業を根付かせたい。

佐渡牛を増やしたい強い想(おも)いをもって

宮下正一さん(65) 新潟県佐渡市

獣医師として宮城で開業していたが、東日本大震災を機に、母の面倒を見るため佐渡に帰郷した。佐渡牛の低迷を目の当たりにし、「佐渡の畜産の発展を考える会」を結成。餌やりや掃除に手間のかからない畜産を広めるため、モデル牛舎「さぶかず牛舎」を始めた。就農者を増やすため、和牛繁殖の勉強会も開く。交配技術による優良牛の産出を目指している。

1本10円のスイートコーンから学んだ販売方法

若林佳晃さん(35) 富山市

初出荷したスイートコーンに、ついた値段は10円。虫が入り、切って出荷したためだ。直売に切り替えたが、販売・配達に時間をとられて栽培の時間がなくなり、ワーキングプアに。再び市場出荷に戻り、顧客が求める品質を追求しようと決意した。現在は最高150円以上の単価がつく。「どこまでも追求できる農業に、きっと、いつまでも夢中」だ。

ブルーベリーに夢をのせて

杉田雅子さん(57) 愛知県豊田市

夫が郷里で建設会社を経営することに。過疎・高齢化で荒れ果てた農地を見て、建設機械を活用できる農業参入を決めた。ブルーベリーに目を付け、休耕田を借りて1200本を植え付け。法人化し、観光農園もオープンした。土壌改良などに苦労しながら、現在は4200本に。パティシエを招いてケーキ屋も開業。地域のビジネスモデルが生まれ、夢が広がっていく。

農業を通して社会課題を解決する”ソーシャルファーマー”を目指して

宮永幸則さん(29) 滋賀県甲良町

JAの営農指導員から独立し、山村に移住した。イタリアナスなどを栽培し「求められる野菜を作る」。発達障がい者や不登校児を受け入れ、年間約20人が住み込みで農業体験。若者の人生のスタートに立ち会える幸せを感じている。ソーシャルファーマー(社会課題解決型農業者)を目指し、今後も自分らしく取り組みたい。

ねえさまらぁの挑戦~四十八人の仲間と地域と手を結んで~

中野逸子さん(69) 山口県阿武町

5集落の有志で、農事組合法人に「女性部」を発足。餅やおこわ作りを始め、加工施設も整えた。正月餅は注文が殺到し、カビのクレームも衛生向上につなげた。試作を重ねて和菓子や漬物など50種以上になり、売り上げは1000万円を超えた。福祉施設にはかしわ餅を持って訪ねる。「共に喜び感謝あふれる」地域の担い手を続けたい。

移住をして子育て可能な農業に挑戦

黒川真太郎さん(53) 徳島県阿南市

夫婦そろって横浜育ち。東日本大震災の経験からモノを作り出す暮らしを求め、一家4人で徳島に移住した。有機農業の研修を受け、少量多品種の野菜栽培に取り組み、野菜セットとしてネット販売し、米の委託栽培も。ポン煎餅、パンなどの加工品を通し、地元産物を紹介する。生産地と消費者のパイプとなり、「ないなら創る」を楽しんでいる。

世代を超えて、守りたい『佐賀牛』ブランド

中山敬子(たかこ)さん(46) 佐賀県玄海町

高校卒業後、半ば強制され父が経営する牛舎を手伝うことに。「中山牧場」として、2000頭の牛を肥育・繁殖する。肉の加工販売、レストハウス営業、冷凍加工品開発と事業を拡大した。「佐賀牛」ブランドを紹介する「中山牧場通信」を発行し、従業員の意識統一にもつなげた。わが子も畜産の道へ。ブランドに磨きをかけて守り続けたい。

歩めば道は拓(ひら)かれる~有機農業への歩み~

吹原京子さん(60) 長崎県雲仙市

「福岡生まれのOL」が長崎の農家に嫁いだ。慣れない畑の草取りで、収穫を控えた玉ねぎを全滅させたことも。有機農業グループの事務局を務め、消費者との交流会を成功させた。「野菜通信」を書き、生協との連絡調整、消費者からの質問にも答える。挫折しながらも歩み続けてきた有機農業を、若い人につないでいこうと思っている。

人との出会いに支えられて、今がある

山田八重美さん(60) 大分県佐伯市

漁村に六女として生まれ、祖父から「漁に行けない女はいらん」と言われた。結婚後は夫の実家のイチゴづくりを手伝い、夫の勤め先の倒産を機に、夫妻で農家を継ぐことを決めた。ハウスを新設し、夫の入院中も男顔負けで働き、子供4人を育てた。病害虫に悩まされたり、苗集めに奔走したり。波瀾(はらん)万丈だったが、周囲の恩を忘れず70歳までがんばりたい。

第44回毎日農業記録賞《一般部門》 奨励賞

黄金芋に魅せられて

村田倫弥(ともひろ)さん(36) 沖縄県うるま市

沖縄生まれの母から「黄金芋をブランド化したい」と電話で誘われた。東京でのスーパー勤務をやめ、沖縄・伊計島に。「こがねチャンまんじゅー」など加工品を売る「黄金茶屋」を開業し、テレビ放映を機に生産が追いつかないほどになった。「焼き芋プリン」の開発や、女子高生と捨てる食材の活用プロジェクトを展開。農業で食べていけるように、さらに課題解決に取り組みたい。

第44回毎日農業記録賞《一般部門》 特別賞

新米農業教員奮闘記

青木祐太さん(30) 岐阜市

大学と大学院でワサビの組織培養を研究した。博士課程を断り、夢だった農業高校の教員になったが、担当は専門外の養牛。エサやりの生徒から「作業のじゃま」扱いされ、何も教えられないふがいなさを感じ、牛の観察から勉強した。臭い牛舎を嫌がった新入生が牛の出産に立ち会い、我が子のように世話するようになった。動植物だけでなく、生徒の成長も祝福できる教員は幸せだ。

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