第45回毎日農業記録賞《高校生部門》優秀賞


架け橋になりたい

 佐々木 研さん=宮城県加美農業高3年

 母の母国フィリピンで、豚を丸焼きにし無駄なくおもてなし料理にする光景を見て、食物と命の大切さを学んだ。高校でエゴマ豚を飼育し、エゴマの油を搾ったカスを飼料に利用。寮の残飯を活用し、乳酸発酵によるエコフィードづくりに取り組んだ。飼料作物の栽培技術をフィリピンに伝え、食糧問題に貢献できるのではと考えた。農業を通し、日比の架け橋になりたい。

廃棄NEWプロジェクト始動!

 尾嶋 亜水さん=東京都立瑞穂農芸高3年

 「畜産は世界最大の環境破壊の要因だ」。尊敬する先生のこの言葉がスタート。畜産による土壌汚染や生物多様性の破壊を知り絶望的な気持ちになったが、循環型農業に希望を見いだす。学校から出る「廃棄乳」を知り、ブタの餌にする発想が生まれた。ブタの食いつきは良く、廃棄乳は13%減少。配合飼料100キロ分を削減。循環型農業を世界に広めるのが夢だ。

牛とともに追いかけた夢〜全国和牛能力共進会出場を目指して〜

 山本 紗弥さん=愛知県立新城高3年

 地元で子牛市場が年6回開催される。繁殖農家から「メス牛を譲るから、全国共進会を目指さないか」と勧められ、挑戦。畜産専攻の生徒全員で人工哺乳で育てた。牛の病気も克服。高校生の全国挑戦は県内初だったが、愛知の共進会で1位突破は惜しくもならなかった。今は経産牛を熟成し、付加価値を付ける道を探っている。

真菰(まこも)のブランド力を上げてふるさとを元気に

 兵頭 春菜さん=三重県立四日市農芸高3年

 地元の菰野(こもの)町は、マコモで町おこしに取り組んでいる。授業で植え付けを体験、栽培者からも話を聞き、マコモを全国に伝えることを決めた。料理人の協力で中華まんやカレーパンを開発し、全国コンクールで優勝や特別賞を得た。心臓病を抱え仲間に迷惑をかけることもあるが、自分にしかできないことを探し、ふるさとの未来を守りたい。

豚がくれた夢〜世界に羽ばたけ森本豚〜

 森本 祥太さん=滋賀県立八日市南高3年

 養豚を営む生家は独自ブランド「森本豚」を確立、地域で餌を生産する耕畜連携を進めた。自身も畜産を専攻、経営者交流会での発表が縁で、県基本構想審議会の初の高校生委員に。生産過程の安全基準「GAP認証」の取得や消費者との信頼構築を目指す。今は高校ブランド「八南ポーク」の確立が目標。「森本養豚場社長」となり、日本の養豚産業を支えたい。

私が守る兵庫の宝〜受精卵移植による但馬牛増頭計画〜

 石上 彩葉さん=兵庫県立農業高2年

 動物科学科で但馬牛の増頭に取り組む。マウスの受精卵採取に成功した後、昨夏から牛の受精卵移植に挑戦。苦闘の末、初の採卵で15個を取り、7個を酪農家に出荷できた。これで年に何頭もブランド牛が生産できる。移植を重ね、流産や死産も経験したが、今夏に初めて2頭の分娩(ぶんべん)に成功。先人のバトンを受け、ブランド牛を守っていきたい。

夢の種

 﨑山 未結さん=高知県立高知農業高3年

 母の反対を押し切って農校に進学。早朝から夕方まで続く畜産実習。北海道での実習では、ストイックな酪農家の生きざまや、かわいい子牛の「生」に触れた。酪農クラブで飼育した牛が共進会で最優秀に。山間地に住む酪農家が実践する「完全放牧・自然交配」に刺激を受け、「山地酪農」の可能性を知る。濃厚飼料の多給による牛のメタボ解消が課題。優しい酪農家を目指す。

ニワトリたちが教えてくれたこと

 西村 春佳さん=高知県立高知農業高2年

 ニワトリを育て、最後は食べる実習に取り組んだ。ニワトリ同士が優劣を決める「つつき」に直面し、弱ったトリを見つけて元気づけた。包丁でトリの首を切ると、まだ温かい血が手に。「食べることは他の生き物の命を頂くことだ」と実感した。「死を悲しんで立ち止まるのでなく、死を無駄にせず次に生かすことが大事」。経済動物の獣医になるのが夢だ。

阿蘇の貴重な農業資源『みさを大豆』で阿蘇を元気にしたい!

 高木 紗矢香さん=熊本県立阿蘇中央高3年

 熊本地震に直面、田植えができない水田の転換作物として大豆に着目、阿蘇の在来種「みさを大豆」を知った。市場ニーズに合わず衰退していたが、栄養豊富。仲間と震災3カ月後に栽培を始めた。阿蘇市やJAなどのアドバイスを励みに、非常食用のパン、パンケーキ、みそに加工した。地域の「共感」も広がっている。

第45回毎日農業記録賞《高校生部門》奨励賞

農業経営者になる!〜悠河の農業経営体験プロジェクト〜

 惣田 悠河さん=静岡県立下田高南伊豆分校3年

 2年の時、イチゴの高設栽培の先駆農家で実習し、「農業で生活はできる」という信念に触れた。個人プロジェクトを始動し、地元特産品の菜花(なばな)を栽培して、直売所で販売。直売が地域住民の生きがいだと知った。1回目の利益は1300円しかなく、2回目はイノシシの食害で全滅。逆に闘志が湧き、今は祖父の代で途絶えていた8アールの果樹園復興に挑戦している。

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