第50回毎日農業記録賞《一般部門》 特別賞


私とコロナ禍とすだちと、ときどき祖父

高橋裕子(31)=徳島県吉野川市、パート

 2年前、コロナ禍の影響が山奥の我が家にもきた。すだちが全く売れない。ほぼ1人で管理している祖父の1年の頑張りが……。何を希望にしたらいいのだろうか。少し前から考えていたインターネット販売をやる時がきた。傷のある果実には「訳あり品」と明記し、なぜ傷ができるのかを丁寧に書いた。県外の人は1キロ詰めのすだちを消費するのに苦労しているので、500グラム詰めにした。レシピを同封するなど、工夫をこらすのが楽しかった。祈るような気持ちで「助けてほしい」とSNSに投稿した。投稿は拡散され、2時間で完売した。次々と届くコメントが、人の温かさを伝えてくれた。「いいものを作り続けていれば見つけてもらえる」という時代ではない。我々が発信しなければ、いつまでも届かない。

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