第51回毎日農業記録賞《一般部門》 特別賞


活(い)きた農業の学びが世界の人と人とを繫(つな)ぐ

礒沼玲(28)=東京都新宿区、全日空客室乗務員・東京農業大出向中

 2019年、客室乗務員として入社した。現在は母校に出向している。農業に出合わなければ航空会社に入社していなかった。中学の時、青年海外協力隊で農業支援に活躍した人から、世界では食に困っている人が多くいると聞き、農業を学びたいと思った。農業実習では、田植えから脱穀まで自分たちで行い、栽培した米のおいしさに感動した。カナダ留学の経験で、和食が世界中から注目されていることも実感した。生産者の立場で農業を学んだからこそ食材の魅力を伝えることができる。食を通じて日本の魅力を伝えたいと考えた時、人と人との懸け橋になる客室乗務員に興味をもった。乗務が始まり約半年でのコロナ禍。これから、という時に仕事がなくなった。母校は「実学主義」。学生が泥だらけになりながらフィールド実習をしている姿を見て、初心に戻った。農業には「無限の可能性」がある。一つの料理が作られる努力や過程を知ってもらえる仕組みを機内に取り入れたいと考えている。可能性を若者に知ってもらう取り組みを今後も続けたい。

 

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