第52回毎日農業記録賞《高校生部門》奨励賞


練り物ではない〝いもでがんす〟~しょうがなくから始まった食酢の開発~

広島修道大ひろしま協創高2年 山田葵彩(あおい)

 魚の練り物の「がんす」をイメージするかもしれないが、ジャガイモで作った食酢だ。山奥にある市民農園の利用の依頼が市からきたのがきっかけだ。園芸部全員でジャガイモの栽培を決めた。耕運、畝立て。授業を何度も公休し管理した。活用方法は、食品製造許可を受けた設備が学校にないため、OEM製造を依頼するしかない。食酢はどうか。佐賀県の醸造企業が快諾してくれた。300㌔を収穫した。商品名は〝いも〟に、広島弁で「ございます」を意味する〝がんす〟を合わせた。ラベルは自分で書いた。市販の米酢を飲み比べた。「喉が痛い……」と叫んだが、いもでがんすは「飲みやすい」「甘くておいしい」という反応。栄養成分の分析を福岡県の化学企業に依頼したところ、有機酸が多く含まれていることが分かった。9月から販売を始める。普通科の高校生には貴重な経験だった。将来の目標は保育士。園児に、何事もやってみないとわからないということを伝えたい。

 

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