第47回毎日農業記録賞《高校生部門》優秀賞・校長協会長賞


食からの挑戦!地域再生へ

黒澤 優雨(ゆう)さん = 栃木県立宇都宮白楊高3年

 小麦は原産地に関心を持たれにくい。自給率は12%だ。地元・芳賀地区(栃木県市貝町)は裏作の小麦栽培が盛んだったが、輸入小麦によりに衰退。両親は廃業する製粉所の後継者となり、うどんを作っている。無農薬小麦を契約、地元では「くろうどん」の名前でパスタ代わりのメニューにもなった。国産小麦のうまさを知った消費者の反響で、地域農業を守ろうという思いが強まった。地元生産のトマトの4割が規格外廃棄される現実にも着目。学校で、これを小麦に練りこんだうどん開発に取り組む。地産地消から踏み込み、食と農が人と地域を結びつける社会にしたい。

絶たれた夢と、牛への想い

塗井 のどかさん = 神奈川県立相原高3年

 酪農家になる夢の第一歩として畜産科学科に進学した。夢が具体化しつつあった2年の時、アレルギーを発症。医師の診断で、酪農どころか動物に関わることすら危ないと忠告された。畜産科学科に進んだ意味を失い悩み続けたが、学校の勉強で遺伝子と出合い、魅力に引き込まれていく。知識を身につけていけば酪農家の役に立てるのではないか、と気づく。遺伝子解析を通じて牛群改良や品種改良に携わるのが目標に。実習の作業工程の改良を実践、ミスを3分の1に減らした。身につけた知識で酪農家の縁の下の力持ちになるのが夢だ。

『愛顔(えがお)の想い』を地域に広げたい

藤原 大希さん = 愛媛県立西条農高3年

 「えひめの愛顔セレクションみかんジュースコンクール2018」に応募、自分たちのミカンをPRした。 東予地方のかんきつ農家を訪問、一農家での商品化が困難なことを知り高校生による6次産業化を決意、ミカンジュースの商品化を目指す。1人1本の栽培を担当。地域資源を生かした「ローカリズム精神」を学んだ。さわやかな風味のジュースが出来上がり、市産業祭で用意した100本を完売。規格外品の有効活用で、生果販売より1.22%経済波及効果が高いことも分かった。コンクール入賞はならなかったが、来年の目標ができた。

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