「第12回毎日地球未来賞 受賞記念活動報告会」の模様をユーチューブでご覧下さい
浅越ゴエさんが総合司会、受賞者とのトークセッションも
第12回毎日地球未来賞(協賛:株式会社クボタ)の「受賞記念活動報告会」を2月11日に開催、その模様をユーチューブでご覧いただけます。受賞12団体が「食料」「水」「環境」の問題解決のために努力と工夫を重ねて取り組む活動のプレゼンテーションをご覧になれます。また、浅越ゴエさんと受賞者の皆さんのトークセッションも必見です。是非ご視聴ください。
視聴URL https://youtu.be/_uX-3eCaPYg
受賞者は「一般の部」「学生の部」の順。
毎日地球未来賞(大賞)
一般の部
株式会社StockBase
関 芳実代表取締役、神奈川県横浜市
<活動概要>
企業が期限切れが近いなどの理由で廃棄する災害用備蓄食料を、地域の子ども食堂など支援団体にマッチングして有効利用してもらう。企業から手数料を取ることでビジネスとして成立させている。企業側にとっては、廃棄のためだけにコストをかけるより、同程度の手数料や配送費を負担しても、食支援や食品ロス削減に貢献できるメリットがある。コロナ禍の2021年4月に始め、起業2年目ながら、すでに大企業を中心に実績を積んでいる。
学生の部
青森県立名久井農業高等学校 環境研究班
中居泉穂代表、青森県三戸郡南部町
<活動概要>
水不足や豪雨に起因する食糧問題を抱える開発途上国に向け、水質浄化などの環境技術開発に取り組む。日本古来の三和土の土壌固化技術を用いて集水、土壌流出防止技術を独自に編み出した。この技術は2020年ストックホルム青少年水大賞で世界一の大賞を受賞。ヨルダンやタンザニアの教育団体からの依頼で技術提供もしている。また、塩害抑制や沖縄の赤土流出抑制にも技術を生かしている。環境研究班は2019年度(第9回)に奨励賞を受賞した。
クボタ賞
一般の部
一般社団法人レッドカーペット・プロジェクト
髙橋和良代表理事、岩手県陸前高田市
<活動概要>
東日本大震災の津波で被災した地に、陸前高田などの市の花「椿」を植樹する活動を2020年に始めた。荒れた景観の回復にとどまらず、椿茶など関連商品の製造に必要な葉、花、実の採取や一次加工を地域の障害者就労支援施設に委託するなど、雇用創出や就労支援にも活動を広げている。地元企業と連携し、米菓、椿髪油などの新商品も開発した。椿を題材に小中学生らの学習機会も設けている。
学生の部
立命館大学農業・園芸サークル きぬがさ農園Kreis
山根巧也代表、京都府京都市右京区
<活動概要>
「落ち葉をごみとして捨てるのはもったいない」と学生が訴えたのに応え、大学が所有地に農園を設けた。無農薬野菜の地産地消、雨水タンクの利用、落ち葉による腐葉土づくりが活動の柱。野菜の一部は大学食堂に納品し、畑仕事に参加する近隣住民にも分けている。雨水タンクの水は農業用水とし、渇水対策にも役立てている。2020年3月に設立し、現在41人が所属する。
SDGs未来賞(学生のみ)
長野県上伊那農業高等学校コミュニティデザイン科グローカルコース
代表・山下昌秀教諭、長野県上伊那郡南箕輪村
<活動概要>
伊那谷に残る伝統文化として昆虫食がある。その象徴でもある水生昆虫の幼虫「ざざ虫」を食べる文化の維持に取り組んでいる。河川での漁を学び、安全性も含めた調査の末、粉末にしたふりかけの商品化に成功し、300個を完売した。個体が減少しているため、飼育実験にも挑戦。養殖が実現すれば、河川に戻し、販売することも考えている。
京都府立桂高等学校 循環型農業を目指す研究班
芝響弥代表、京都市西京区
<活動概要>
コーヒーの1人当たり消費量全国一という京都市が舞台。その分、コーヒー残渣も大量に廃棄されていると考え、地元コーヒー会社の協力を得てキノコの菌床栽培の基材として利用する実験に成功、キノコを販売するに至った。さらにその廃菌床の有効利用まで取り組みを広げ、堆肥化に向けた実験を重ね、効果が見通せる状況にこぎ着けた。
大分県立大分商業高等学校 商業調査部
大山夢莉部長、大分県大分市
<活動概要>
「ごみを活用した商品開発」に取り組んだ。スーパーから出る生ごみや食品残渣で堆肥をつくる会社を見学し、その商品を周知するため名付けやパッケージデザインをして、イオン系列店での販売を実現した。その堆肥を使って栽培したトマトの規格外品をむだにしないため、ドレッシング、ソース、トマトみその商品を開発して常時販売し、好評という。
奨励賞(学生のみ)
山形県立置賜農業高等学校「ニオイ木研究班」
竹田真美代表、山形県東置賜郡川西町
<活動概要>
空気を浄化する能力があり、山林での自生が激減しているシソ科の植物「ニオイ木」の増殖に成功した。育種家所有の1本から枝葉をもらって組織培養に取り組んだ。脱臭効果を持つことが確認でき、企業と連携して脱臭剤の商品化が決まった。また宇宙船や宇宙農業での使用の可能性に向け、JAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同研究も進めるという。
兵庫県立農業高等学校 植物バイオ研究会
高田理人会長、兵庫県加古川市
<活動概要>
台風や水質汚染に加え、輸入資材である肥料の高騰など農業を取り巻く環境が厳しさを増す中、水産廃棄物となるサメや深海魚を原料とした「お魚サプリ」を開発した。土壌改良への効果を示す数値も確認した。また、過剰な施肥を抑制するため、目視よりも正確に土壌診断できるスマホアプリも生み出した。
愛媛県立大洲農業高等学校 果樹班
宇都宮美虹代表、愛媛県大洲市
<活動概要>
バナナ科のバショウ、キウイの枝という地域特産品を利用し、これも特産のブドウ用の果実袋を開発した。大量に廃棄されるバショウの葉や茎を原料に、キウイの枝をつなぎにして和紙をつくった。この「芭蕉和紙」はプラスチックゼロなうえ、耐水性があって通気もよく、果実の着色効果向上も確認できた。
長崎県立諫早農業高等学校・食品科学部
吉田美優部長、長崎県諫早市
<活動概要>
里山の保全に向けた放置竹林対策として、一般に米ぬかが使われる菌床栽培の基材に竹を利用した。試行錯誤しながら、菌糸の増殖スピードが米ぬかより速まるキノコ種類を確認。カビを抑える効果もあり、NPO法人が事業化を決めた。キノコ会社を通じて15道府県で試験栽培が始まり、技術提供の要請があるなど全国的な広がりを持ち始めた。
鹿児島県立種子島高等学校 RRPU班
椎田来夢リーダー、鹿児島県西之表市
<活動概要>
食品製造授業で果実を使った後に大量に廃棄されるパッションフルーツの殻を何かに利用できないかと研究。石けんづくりに失敗するなど試行錯誤し、和紙づくりに成功した。地域の就労支援施設から依頼され、製造方法の技術指導もしている。この「パッション和紙」を使い、うちわやしおり、ランプシェードづくりも検討している。
主催 | 毎日新聞社 |
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後援 | 内閣府政策統括官(防災担当)、外務省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、環境省 |
協賛 | 株式会社クボタ |