クボタ・毎日地球未来賞


「第14回クボタ・毎日地球未来賞」受賞12団体決まる

毎日地球未来賞(大賞)は「ひろさき環境パートナーシップ21」と「岩手県立花巻農業高等学校」

 21世紀の地球が直面する「食料」「水」「環境」の問題解決に取り組む団体・個人を顕彰する「第14回クボタ・毎日地球未来賞」の受賞者が決まりました。

 受賞記念活動報告会を2月22日(土)午後2時から、毎日新聞大阪本社オーバルホールで開催、その模様をYouTubeで配信します。

 総合司会は、吉本興業所属の芸人「浅越ゴエ」さんです。

 受賞者によるプレゼンテーションやトークセッションを是非ご覧下さい。

報告会開催日時:2月22日(土)14時~16時半(予定)
視聴URL:https://www.youtube.com/live/SQvdmqt_1gk

総合司会の浅越ゴエさん

受賞者一覧

毎日地球未来賞(大賞)

一般の部

ひろさき環境パートナーシップ21(青森県弘前市)

 弘前市とパートナーシップ協定を結び、協働しながら絶滅危惧種Aランクのトンボ2種が棲息していた休耕田を、「弘前だんぶり池」(だんぶり=津軽弁でトンボ)として整備・維持管理を進めてきた。「自然の再生力を信じ、環境を取り戻そう」をスローガンに、様々な災害に見舞われながらも、弘前大学の学生の協力なども得ながら乗り越え、これまで確認できたトンボは44種に上る。
 ノウハウを生かしてさらなる自然環境再生の一助になればと、だんぶり池の活動を近隣適地にも拡げ、ネットワーク化を目指す。

学生の部

岩手県立花巻農業高等学校(岩手県花巻市)

 廃棄処分されていた県内二子町特産の里芋の親芋(頭芋)を有効利用しソーセージを製造。さらには遠野市特産のホップの樹脂成分「ルプリン」の抗菌性を生かして、他社のソーセージの賞味期限を大幅に上回ることに成功。フードロス削減に貢献する。
 この技術を地元企業に譲渡し、主力商品への使用も決定。今後、ルプリン溶液の抽出方法と製造方法の特許出願を目指す。

クボタ賞

一般の部

三陸自然学校 大槌 ミズアオイの池をみんなで守る会(岩手県上閉伊郡)

 東日本大震災の津波で土地が掘り起こされ、住居移転後の跡地から数十年埋もれていたミズアオイが発芽。保護池が造成され、町民、自治体、大学研究者など多方面の協力で結成された「大槌ミズアオイの池をみんなで守る会」が保護保全に努める。
 また、津波後の住居跡で見つかった稲穂3株から種もみを増やし、「大槌復興米」として栽培。種もみは遠く大阪にも渡り、小学生が校内でプランター栽培するなど、交流に繋がっている。

学生の部

愛知県立渥美農業高等学校 動物科学部(愛知県田原市)

 規格外で廃棄される地元名産の丸玉トマトを飼料として飼育した黒豚で「黒豚とトマトのキーマカレー」を開発・商品化した。「あつのう黒豚ウィンナー」も製造・販売するなど、規格外トマト総活用量は250㎏を超える。
 肉質分析では、規格外トマト給与によりうまみ成分のイノシン酸数値が増加。さらに、味や食感で評価する官能検査も行い、高い評価を得た。
 食育イベントなどを通して、地域の食品ロス削減啓蒙にも取り組む。

SDGs未来賞(学生の部のみ)

青森県立名久井農業高等学校 FLORA HUNTERS AQUA(青森県三戸郡)

 水を有効利用する節水型ミスト栽培システムを開発。密閉容器と超音波発生器で構成される装置で、養液を間欠的にミスト状で供給でき、水耕栽培よりも約70%節水可能となる。
 また、途上国に多い富栄養化池沼から無焼成のバーミキュライトでアンモニア態窒素を吸着させ、育苗に用いる技術を開発したり、富栄養化池沼に生息する水草を利用して液体肥料化するなど、水と農業に特化した技術開発と普及活動に取り組む。

岡山県立瀬戸南高等学校 PioneerR.G.(岡山県岡山市)

 労力がかかり、収量が減少すると言われる有機農業だが、田植え後に何度も表面をかき混ぜる多数回中耕除草という江戸時代の農法は、除草効果や増収効果が得られるとも言われており、それを解明すべく無肥料無農薬栽培試験を実施。中耕除草機を活用して稲を植え付け、多数回中耕除草することで品質や収量が増加する試験結果を得た。
 多数回中耕は土中の酸化還元を防ぎ、メタンガス発生を抑制できるとも考えられ、研究機関と連携したさらなる研究を目指す。

熊本県立南稜高等学校 総合農業科 環境コース 林業専攻(熊本県球磨郡)

 令和2年に人吉・球磨を襲った豪雨でたくさんの人が家や思い出を失った。林業を学ぶ地元の高校生たちが木材の知識や技術を生かして木材の温もりや癒やし効果を伝える取組み「木育」を通して復興支援活動に取り組む。
 災害で浸水した写真を洗浄して手作りの木製スタンドとともに写真を被災者に返却したり、ものづくりで生じる端材を炭にして活用したり、森林資源の循環的活用を促進、新たな地域経済の復興の在り方を模索している。

奨励賞(学生のみ)

青森県立三本木農業恵拓高等学校 COW飼う’S(青森県十和田市)

 黒毛和種の脂質改善のための独自飼料として、高オレイン酸ヒマワリを栽培、その種子を餌として給与し、オレイン酸割合を高める研究を行う。全国の高校生が出品する和牛甲子園で歴代最高値のオレイン酸60.7%も記録した。牧場などで景観改善活動としてヒマワリ栽培も行ってもらい、栽培したヒマワリの種子の提供を受ける。
 その他、醬油粕をエコフィードとして利用し、黒毛和種に給与試験を行うなど、県の基幹産業の畜産業の課題解決に向けた研究を行っている。

秋田県立大曲農業高等学校 果樹部(秋田県大仙市)

 酸性硫黄の未利用資源「湯の花」を活用し、農薬や輸入資源の代替資材を開発している。
 水稲の種子予措で湯の花を殺菌剤の代替として利用し、病害を抑える効果を立証。また、ブルーベリーは輸入資材ピートモスで栽培するという常識を覆し、湯の花水溶液の廃液を活用することで酸性土壌を好むブルーベリー栽培に有効であることも発見。稲作中心だった地元の農業経営にブルーベリーが複合化され、農業生産額の増大に繫がると期待されている。

富山県立氷見高等学校 海洋科学科(富山県氷見市)

 非常に安価に取引される氷見イワシの魚価向上を目指して、「白味噌煮」と「味付」の缶詰を開発・製品化した。また、内蔵などの残滓から魚粕肥料も製造し、スチームコンベクションという機械を有効に使用することで残滓のほぼ100%を肥料に変えられることも突き止めた。肥料は正式に富山県から認可も受ける。
 肥料の販売まで可能となり、無駄のない資源の利用、持続可能な水産資源の利用に繫がっており、「灘浦みかん」の栽培にも肥料の活用が始まっている。

愛知県立猿投農林高等学校 造園デザイン研修班(愛知県豊田市)

 美濃焼の原料となる花こう岩以外の廃棄処分される岩の中でも最も処分に困る石英斑岩。しかし、洋風庭園に使用されるロックガーデンの材質と同じため、高く売れる道筋を付けた。美濃焼には使えない目の粗い風化花崗岩もかわいいパッケージで「小原白川砂」として販売。地元の採掘業者から発生する産廃に価値を見出し、地域資源を有効活用している。
 採掘跡地に四季桜を繁殖させたり、跡地を地元資源のみで作庭し、緑地として蘇らせるなどの活動のおかげで、石材の注文にも寄与しており大きな反響を呼んでいる。

和歌山工業高等学校 化学技術クラブ 同校定時制工業技術クラブ(和歌山県和歌山市)

 アサリの減少で潮干狩りの中止が続く和歌浦干潟で、その原因を6つの仮説を立てて検証。結果、カニやヤドカリ、クロダイ・エイなどの食害によるものと断定した。
 網袋や保護網を使用して食害を防ぎつつ、網に付着するカキの除去に在来生物のクロダイを利用。収量増加が見込める持続可能な方法を構築し、漁協に提案している。

 

主催 毎日新聞社
後援 文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省
協賛 株式会社クボタ

 

 

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