「第9回毎日地球未来賞」受賞7団体決まる


未来賞(大賞)は岩手県の「吉里吉里国」

 21世紀の地球が直面する「食料」「水」「環境」の問題解決に取り組む団体・個人を顕彰する「第9回毎日地球未来賞」の受賞者が決まりました。

 表彰式・受賞記念講演会を2020年2月15日(土)、毎日新聞大阪本社オーバルホール(大阪市北区)で開きます。

 受賞者を活動内容と共に紹介します。

毎日地球未来賞(大賞) 賞金150万円

★特定非営利活動法人 吉里吉里国:芳賀正彦理事長、岩手県上閉伊郡大槌町

【活動概要】
 2011年3月11日の東日本大震災で、大槌町吉里吉里地区も津波で大きな被害を受けた。地域の残された民有林を整備するために売り物にならない低質材を間伐して、薪(まき)を生産。地域の安全維持や環境美化に加えて雇用創出にもつなげている。大震災の記憶を風化させないための講話会を約450回開催し続けている。

まきづくりに取り組むNPO法人吉里吉里国の芳賀正彦理事長(左から2人目)たち=2019年12月23日、岩手県大槌町で
まきが積み上げられた吉里吉里国

クボタ賞(特別賞) 賞金100万円

★一般社団法人 ClearWaterProject:瀬川貴之代表理事、名古屋市天白区

【活動概要】
 海、川、湖を未来の世代に残すため、ICT(情報通信技術)を活用して、遊漁券がスマートフォンで購入できるサービスを開発、運用。漁協の安定収入が河川環境整備につながる▽河川環境整備のためのクラウドファンディング運営――などに取り組んでいる。

★特定非営利活動法人 秩父百年の森:坂本裕三理事長、埼玉県秩父市

【活動概要】
 秩父の森林保全のため、森で採取した種での植樹や下草刈りなどを続けている。子どもに森林の大切さを伝えるため、カエデの幹からメープルシロップになる樹液を採取するといった体験型環境教育や、山の恵みを生かした特産品開発に力を注いでいる。

次世代応援賞 賞金40万円

★石川県立翠星高校食品科学研究会 模擬株式会社SUISEI-FACTORY:福村月菜社長、石川県白山市

【活動概要】
 「金沢ゆず」の果汁をしぼった後の果皮有効活用を研究。マーマレードなどの食品を開発したり、抽出したアロマオイルで加工したキャンドルやせっけんを作ったりしている。抽出後の残りかすを炭化させた土壌改良剤で循環型農業の構築にも努めている

奨励賞 賞金20万円

★青森県立名久井農業高校環境研究班:石塚大城代表、青森県三戸郡南部町

【活動内容】
 草花のサンパチェンスで都市公園の池を浄化する技術を開発した。これを応用して、開発途上国の農薬汚染対策と食料増産が同時に行える装置――浄化用微生物を混ぜた土で豆類を栽培する植木鉢をイカダに乗せて、湖沼に並べる――をつくった。

★広島県立世羅高校農業経営科:荒木舞桜里代表、広島県世羅郡世羅町

【活動内容】
 ニシキゴイ養殖の過程で発色の悪い大量の稚魚が焼却処分されている。その稚魚を発酵させて魚醬(しょう)「コイしょうゆ」をつくることに成功した。その時の残りかすを肥料にして米を栽培し、「鯉米」として売り出す計画も進めている。

★滋賀県立大学陶器浩一研究室+たけともミライ:代表・陶器浩一教授、滋賀県彦根市

【活動内容】
 放置竹林を活用した地域づくりに取り組む。東日本大震災の被災地、宮城県気仙沼市で、学生が切り出した竹1000本を使って「竹の会所」をつくり、地域の人たちと交流した。滋賀県湖南市では、伐採した竹で“空中回廊”をつくるなど遊び場を整備した。

主催 毎日新聞社
後援 内閣府政策統括官(防災担当)、復興庁、外務省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、環境省
協賛 株式会社クボタ

 

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